56 subjective手触り

鯨日記
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土曜日に日記を更新できなかった。今年初ポカ。すんません。地元に用事があって帰った。渋谷乗り換えはいつも苦手で駆け抜けるように移動している。息が苦しくなる。用事に合わせて小学校の同級生たちと会った。先に一人とファミレスで合流した。先に着席していたわたしの前を素通りした後に立ち止まり振り返り「ああ」と気の抜けた声を出す。その友人と会うのは5年ぶりだった。互いに何もかもを知っているはずなのに(昔付き合っていた人や住んでいた家、癖や趣味嗜好やほんとうに何もかもを)目の前に座った彼を見た時に何も知らないようなどこか遠い気分に駆られた。今の居住地と仕事の話をして母親や妹たちは元気かと尋ねた。そんな当たり障りのない話をした。残り二人と改札で待ち合わせて餃子を食べてビールを飲んだ。その後は地元の中のさらに地元に移動して誰もルールを把握していないダーツをやってカラオケをした。雪の予報は雨に変わっていた。気温も下がって地下駐車場に逃げ込むように入りエレベーターに乗り込む。背高くなった?変わってないよ。安心するね。ずっと遊んでいたい。仕事なんてしたくない。顧問の先生怖かったよね。今は丸くなったらしいよ。結婚とかするのかな。眠い。子どもとかできるのかな?まだ遊んでいたいよ。今年でアラサーだって。言わないでよそんな怖い話。今の仕事楽しい?彼女/彼氏とは順調?さいきんはなにをしていたの?カラオケで歌って少し眠って6時。ファミレスのモーニング。鮭と納豆とトーストと味噌汁。会話はなかった。目の前の相手ではなく足元にボールを投げるような言葉だけがあった。険悪なのではなく、言葉がいらないだけだということを他者に伝えるのがいつまでも難しい。またねと言い合ってわたしたちは雨の駅で別れた。楽しかった。良い夜と朝があった。わたしたちは足りない言葉を互いに相互補完して互いの記憶を交換しあった。夜は深く、雨がわたしたちの影と重なるように降っていた。/「いつまで学生みたいなことをして、気分でいるんだろう?」情けないって気づかないかな。一種の痛さがある。それは青春でもなんでもないよ。美しかった過去を追体験するように同じ行動をなぞることは青春なんかじゃなくてただの未練でみっともないって気づくべきだよ。でもそのみっともないこと、取り留めもないことこそが美しいってそれがすべてなんだったらもうそれでいいんじゃない?別にだれが何を言うわけじゃないし、楽しかったってきちんと言葉にして言わないとその言葉に飲み込まれそうになって立っていられなくなるんだろ?Instagramに「今日はたのしかった〜🎶」って写真載せる奴らみんなダサいって思ってしまうお前は悪くないよだってあの子たちは自分の中の価値観だけじゃ経験を楽しいものだったって結論づけることができなくて自分の中で価値観を完結させてあげられることがてきなくていつだって他人に自分のケツ拭いてもらってる。SNSを通して他者の天秤に自分を載せてはじめて自分の価値を照らし出すことができるんだからさあんま言ってやんなよ、そういう生き物だっているんだ放っておけよ。わたしたちはわたしたちの人生をいこう、目の前の人生に精一杯でいられるんだったらインターネットなんていらないはずだから。/2024.1.21

@kujuranosenaka
酔い潰れたり面倒がって翌日になって昨日のことを書くことが多い X: @kujuranosenaka