日曜日の夜

kukanbi
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何をしていても心がグッと縮まる夜をやり過ごすたびに、いつになったらこのループから抜け出せるのだろうと遠く思う。

行くあてもなく歩く夜のアーケードは日曜日なのにやっぱり今日ももの寂しい。みんなこんな日はどこで何をして過ごしているのだろうか。

ひとりだなぁ、と思う。

たまに数人で歩いている同世代くらいの明るく前向きな話し声が過ぎ去ると、あぁ、あーいうのって、どうやったら手に入るんだっけ?とさらに自分とこの今の空間が、隔てられ、遠い。

せっかくだし、明日からのしごとに備えて、軽く一杯くらい飲んで帰ろうと思っていた。

数分前、三年坂のTSUTAYAからでる扉を開けて、どうぞ、とおじいさんに合図を送ると、「あなた素敵ね。」「えっ、ああ・・ありがとうございます。」「カッコいいね。ヘアースタイルと服がよく似合ってる。」「えぇ。ありがとうございます・・」と、いう会話があった。

驚いて、少し照れたけど、うれしかった。ほんとはそのままバスに乗り込んで帰ろうと思っていたけど、なんとなく、そのまま信号を渡り、上通りに向かった。けれど、また振り出しに戻ってしまった。歩けば歩くほど、この夜の寂しさが加速する。結局どこにも入れないまま、30分ほどウロウロし、バスをベンチで20分ほど待って、いつも通り、1時間かけて家に帰る。

話が行ったり来たりするけれど、外に出ると1回は知らない人に話しかけられる。それはただ天気の話とか、バスが来ないねぇ、とかたわいもない話も含めて、ほんとうに、なんでそんなに話しかけてくるんだろう、不思議でしょうがなくなるくらいに、自分では話しかけないでオーラを出しているつもりの日でもお構いなしに。きっと話しかけづらそうな服を着ているときでも、イヤホンをつけているときでも、パーソナルゾーンに躊躇いもなくタッチされる。

みんななんだと思ってるんだ。どんな風にみえているんだ。わからない。

たとえ話しかけられても、結局はまたひとり。

明日からまた始まる5日間に備える気持ちは、今週も、頼りない。

@kukanbi
なんでもなくないこととともに