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キャラクターと食事シーンについて

team hattari 久納 一湖
·
公開:2026/6/19

私の作品には、よく食事シーンが出てくる。短い話でも、だいたい店に入って飲み食いしてるし(世界は僕の箱庭、など)、作中でキャラが状況を説明する時も数人が集まって、食事までいかなくても何か食べてる(THE LAST CHILDREN ルカの物語、など)。

しかもほとんどのキャラが美味しそうに、味わって食べている。何を食べていてどんな味で、どんな気分なのかだけでなく、食感や匂いなど事細かに書くこともある。そういうシーンが好きだ。

2024年には、こ褒美イラストとしてSFシリーズ4人組(スティールライフ)の食事雑談絵を描いてもらった。主人公以外のキャラが定まってなかったので、デザインも兼ねて依頼した。彼らの拠点の一室で、ビールやコーヒー片手にピザ(しかもマリナーラ指定)やチーズ、オリーブをつまんで雑談している。

この4人はどんな距離感でオフを過ごすんだろう、というのが見たかったのだ。つまり私は、食事シーンを過ごさせることで、キャラのオフを見たいのだと思う。この時の4人は、まだ互いに少し距離があり、多少のぎこちなさが伺える。その1年後に書いてもらった同じ4人組のイラストでは、仲良さげに寝転がっている。1年のあいだに(作中時間で数か月)どんな交流があったのか、その過程を想像するのも好きだ。

食事シーンについて何の影響か遡ると、思い当たるのは小学6年生の時に読んだ漫画だ。詳細は忘れたが、巻末に担当編集者のコメントがあって「キャラに卓を囲ませて飯を食わせろ」みたいなことが書いてあった。確かにその漫画は、家族で食卓を囲むシーンが目立った。ジャンルはラブコメだったが、ほのぼのファミリー漫画なみに食事シーンがあったように思える。それがとても印象的だった。

恐らく12歳の私は「そりゃキャラクターもご飯食べるよね。生きてるんだしね」と思ったのかもしれない。テレビアニメや紙の上で動く二次元のキャラは、物語を動かす記号でなく、人間っていう生き物としてそこにいるんだ、という気づきを得た。キャラはご飯もお風呂もしなくたって、動いているシーンがあれば成り立つけども、「食べる」ことで、三次元側と同じ物体になる、のような。自分の中でしっくりきたのか、それをずっと覚えている。

だから自分が二次元のキャラを書くときは、無意識的に食事シーンを入れているのだと思う。わざわざ「次の章でご飯を食べさせよう」とは思っていない。変な言い方だけど、キャラが勝手にレストランなりビストロなりに入ってく。そんな感じだ。そこでキャラの食の好みを知るのもまた、楽しい。それに食を書くことで、舞台になっている土地や環境を伝えることもできるので、一石二鳥な感じがする。やっぱり食事シーンは楽しい。

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@kuno1ko
小説を書いている人