人と映画を見るってかなりハードルが高い行為だと思う。
そもそもで同じ映画を見たいと思うこと自体が奇跡に近い。現代人は2時間も興味のない映像を見てられない。興味を持てる範囲は人それぞれだし巷で有名な話題作であっても刺さる人と刺さらない人がいてその見極めが難しい。
その一番高いハードルを超えたとしても、擦りあっていないと体験が損なわれる価値観が他の娯楽に比べて多い気がする。
上映中はスマホを見ないみたいな基本的な鑑賞マナーは別にしてよく言われるのは、エンドロールを最後まで見るかどうかがあると思う。結構重要視されているし自分も初めて一緒に見る人には必ず確認を取る。
その割には終わりまで座っているか否かだけが一致していれば良くて、最後まで見る場合はその理由までは問わない不思議な価値観ではある。「余韻に浸りながら内容に想いを馳せたい」、「クレジットを眺めてどんな人が作ったか知りたい」、「時々流れるオマケ映像を逃したくない」とか、色んな理由がありそうだし物によっては相容れないものもありそうである。
他に改めてふと思ったのは鑑賞する際の座席の位置。自分はスクリーンに向かって中央かつ後方の席が首が疲れないし画面全体を見渡せて好きなのだけど、前の方で映像をドアップで見たい人もいれば、上映中万が一に外に抜け出せるように通路に面した席がいい人もいるかもしれない。
集合時間も価値観の違いがよく出るポイントだと思う。何も言わなくても入場が始まる10分前に集合する人もいれば、最初は予告編なので上映ぴったりに着く人もいると思う。
結局のところ何を言いたいかと言うと、こんなにすれ違いそうなポイントが多いのに、誘ったら一緒に映画を見てくれる友人は大切にしたいなと思った次第でした。