ハリーポッターシリーズで一番ずるい大人はダンブルドアだと思う件について

kurage644
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※この記事はハリーポッターシリーズの重大なネタバレを含みます。

ハリーポッター、本編は本も遠い昔に見て映画もファンタビ含めて全作品見ているのだけど、あの作品の中で一番ずるいのはダンブルドアじゃないかと思っている。

ホグワーツの校長であり当代最強の魔法使い。ハリーの学校における保護者であり良識ある大人の代表として人気も高いと思う。ただ、彼の行動振り返ると果たして責任ある大人が取り得る行為だったのか疑問に思う点がいくつかある。

一番大きなところで言うとヴォルデモートを倒すための作戦。ヴォルデモートを倒すにはその魂が納められた7つの分霊箱を破壊する必要があるのだが、ダンブルドアは世界のどこにあるかわからないその特級呪物の破壊を10代の少年少女3人に丸投げするのである。途中、分霊箱を破壊できるグリフィンドールの剣を授けたりはするものの、都度発生するアクシデントはこの3人で対応し、バックアッププランは何一つ用意していないのである。腹心のスネイプ先生にもこの作戦は秘密だし、なんなら剣は途中でゴブリンに奪われてその役目を果たせなくなる。不死鳥の騎士団と呼ばれるヴォルデモートに対抗する組織の長としてはあまりにもお粗末な作戦で実は成功させる気がないとしか思えない。

しかも彼は一番肝心の、最後の分霊箱はハリー自身でありヴォルデモートを倒すにはハリーも死ぬ必要があると言う事実を隠したままこの作戦をやらせている。もはや自分がハリーの命に対する責任を負いたくないが故に、スネイプ先生に自分を殺させ肖像画に退場するシナリオを作ったとしか思えない。

実際、ダンブルドアは誘惑に弱く逃げ癖があるような描写もいくつかある。ダンブルドアには精神的に不安定な妹がいたのだが、彼女を弟のアバーフォースに任せてグリンデルバルドとの青い理想を優先させているし、グリンデルバルドが大罪人となったときは彼と戦うことから逃げている。蘇りの石を手に入れたときも家族に謝罪し自分の罪悪感から逃げるためにそれを使おうとしている。

こんなふうにずるい大人ではあるのだが、ダンブルドアは現状維持する大人の象徴で、ハリーが神聖視していたダンブルドアが実は弱い人間であることを織り込んだ上で、理不尽を克服し成長する過程を描く上で必要なキャラクターではあったと思う。

ここまで悪様に言ってしまったけど、自分はダンブルドアというキャラクターはその弱さに対して共感を覚えるし好きなキャラクターではある。本編の映画では尺の都合か弱さを含めた人間味が伝わりづらかったけど、ファンタビの第3作はそこも表現しつつグリンデルバルドとの関係も補完したいい映画だったと思っている。

なのでファンタビの続きを誰か作ってください。お願いします。