最近90年代の名作映画を映画館で上映する企画があり、「Before Sunrise」という私が大好きな映画も再上映されるという情報を得たので、先日見てきた。
この映画を知ったのは高校生の時だ。授業の初めにおすすめの本を教えてくれる古典の先生がいて、この映画もあるときその先生が教えてくれたのである。
「恋人までの距離(と書いてディスタンスと読む)」というちょっとダサい邦題がしばらくの間クラスの中で話題になっていたことも相まって(グループワークの時のグループ名で使われてたりとかした)、ずっと気になってはいたが、実際見たのは高校を卒業した春休みだったと思う。
映画の内容としては、たまたま電車で知り合った男女が一晩だけウィーンの街を歩きながらひたすら話す、というものなのだけれど、これがとてもいいのだ!
恋が始まったばかりの時のドキドキする空気感や距離感がたくさん詰め込まれていて、見てるこっちが「ふへへ」ってなってしまう。
ウィーンの街並みと、そこにいる様々な人たち、そして主演二人がとにかく美男美女なので、なんというか、見ているだけで「はあ美しい...」となる。
私はかなり人と話すのが苦手で全然喋らない人間だけれど、だからこそこの2人のような、自分の思っていることを話せる関係性の人の存在がとても大事だと思う。そういう点で好きなのかな、この映画は。
この映画には続編があって、「Before Sunrise」の9年後の物語として「Before Sunset」、さらにその9年後の「Before Midnight」がある。大学生の間に続編2本も見て、Sunsetはまあ似たような内容だけれど、Midnightまで行くとう~んあんまりよく分からないなあという感想を抱いた。
大学4回生の時に教育実習で母校に帰ったとき、この映画を紹介してくれた先生にそのことを伝えると、Midnightは大人になったら分かるようになるというようなことを言われて、ほおそんなもんかと思った。
今回「Before Sunrise」を見るのは3回目で、気づいたら劇中の彼らより年上になってしまっていて、私もそろそろ人生のこういう段階は終わりなのか、と考えた。
それでも、前より会話の内容に共感する部分が多くて、映画の中の2人は精神的には私より全然大人だったのだなとも思った。