「ね、笑わないで聞いてほしいんだけど」寂しげな顔を見せる幼馴染は、下校途中に突拍子もなく聞いてきた。泣き出しそうな、それでいてもうどこかへ消えてしまいそうな儚さを含んだ目をしていて、あの時のわたしはどうしたらいいのかわからないまま頷いたのをよく覚えている。そして、今でも後悔している。「…ありがと。ねぇ、前世って、信じる?」 二度目の突拍子もない発言に、呆然としてしまった。意味や意図を考えるうちに経った時間は長かったようで、幼馴染はなんでもないといつもの表情に戻ってしまっていた。短文kurinoki/natsuki最近は短文を不定期更新。ねこがすき。