海の聲は

kurinoki/natsuki
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 髪がベタつくような感覚と、つんとした潮の香り。これが私は大好きだった。海に焦がれていた。きっと海は私のことなど知らないし、好きでもないだろうけど、私は海で死にたいくらい愛している。

 重めの愛を波打ち際でぽつり呟き歩いていると、冷たくて気持ちの良い砂の中に、なにか硬いものの感触が足にあった。エイだったら刺される、なんて思ったが、掘ると埋まっていたのはボトルシップ。

「こんにちは。よかったらお電話くださいね」

@kurinoki
最近は短文を不定期更新。ねこがすき。