残り充電25%。光る画面、右上のバッテリーが赤に変わる。いつもの習慣で、一瞬今日が終わりかけてもう寝る時間で、茶色い棚の上でスマホを充電して部屋に……。という錯覚が起きるがすぐに覚めた。 眼前に広がる海。空、砂、海……。現実に引き戻されるには十分なほどの材料がそこにあった。「どうせ死ぬならキスの1つでもしたらよかった」 すぐ隣に横たわる、砂まみれの想い人はまだ目を覚まさない、ように思っていた。短文kurinoki/natsuki最近は短文を不定期更新。ねこがすき。