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        <title>kurinoki/natsuki - しずかなインターネット</title>
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        <description>kurinoki/natsuki さんの記事一覧のRSSフィードです</description>
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            <title><![CDATA[雪の結晶]]></title>
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            <pubDate>Sat, 14 Feb 2026 23:28:33 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[「かたちあるものは、いつか壊れるものよ」
　それが、祖母の口癖だった。私が割ってしまったお皿の破片をしわだらけの指で器用に拾い上げるのを、俯いていたからそれだけを眺めていた。白い陶器のなかみは光を反射せずに吸収して、ざらざらした血液を飛び散らせていた。
　黒い手袋に雪がひとひら落ちるたび、熱で形を崩す結晶を眺めていた。そして、だいぶ昔のことを思い出した。]]></description>
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            <title><![CDATA[散華]]></title>
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            <pubDate>Wed, 05 Nov 2025 23:55:01 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[死んだ人のことを考えると、天国では花が降るらしかった。
　地獄で花の話なんて聞いたことがないから、きっと咲かないのだろう。産まれながらの極悪人なんてものは少ないだろうに、過ちにより花すら与えられないのかと寂しくなる。人を殺めてしまっては、きっと地獄に行くだろう。
　理由が何であれ、彼の近くで花を見ることは叶わないのだ。
　その代わり、俺の頭上に真っ赤な花が降ってきた。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[ペンローズ・タイル]]></title>
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            <pubDate>Wed, 05 Nov 2025 08:32:17 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[狭い部屋にひとり、広いベッドに寝転がって、冷たかったシーツが段々暖かくなった。
　あの時背中に回された体温がなくならなくて、それなのに喪失感に苛まれていた。見えない部分をやさしく指先で触れられて、じわじわと熱が身体の内から漏れ出して、どうにかなってしまいそうだと思った。頭の中でシナプスが破裂して、酩酊状態のままにそこから這い出る。
　もう、こんな自分では得られない快感を、ずっと忘れられないでいた。…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[記憶を、かきみだす]]></title>
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            <pubDate>Fri, 18 Apr 2025 01:26:25 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[人は、香りだけは最期まで憶えているという。
　死んだ祖父、疎遠になった親友、とっくに別れた彼氏。もう会うことのないそれらをふと思い出してしまうのは、振り返ってみればいつも香りからだなぁ、と思った。
例えば道端ですれ違いざまに漂ってくるとき。
例えば季節の逡巡が鼻腔をくすぐるとき。
例えば貰った手紙の封筒の残り香を見つけてしまったとき。
　記憶の奥底から湧き上がってくる思い出には、楽しかったものも、…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[ヴァナキュラー]]></title>
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            <pubDate>Thu, 27 Feb 2025 12:40:26 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[その日、すべてを突然奪われた。
土足で勝手に踏み込んできたというのに、殺して、奪って、斬り捨てて、それで満足か。
　文化となり、風土に恵まれ愛されたはずのそれを手放し、放浪以外の選択肢は最早あってないようなもので。命からがら逃げてきたが、腕の傷を放置したために高熱で朦朧とした頭では考えの一つもまとまらなかった。これでよかったんだ、尊厳を守ったのだと、固い土の上で死期を悟った。
　しかし、土に還るこ…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[愛、とは]]></title>
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            <pubDate>Thu, 20 Feb 2025 12:06:48 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[見つけたり、掴むのは簡単なのに、こんなにも続けることが難しいものなど、あるのだろうか。
ないんじゃないか、と思う。
　人生において、十分条件であれど必要条件ではないこんなものに、どれだけ振り回されて生きているだろうか。どれだけ感情を消費して過ごしてきただろうか。
つい、ふと、そんなことを考える。
例えば、湯船に浸かってふう、と息をつく時。例えば、幸せに少し穴があるように感じた時。
(無駄なのかな、…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[真に不可欠という]]></title>
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            <pubDate>Mon, 30 Dec 2024 13:45:55 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[「貴方と墓の間に立ち塞がらないのであれば、それは必要なものではない」
　そう言い放った彼女のことを思い浮かべて、途方もなく格好いいと思った。欲しいものと必要なものを履き違えるなという考えに、脳天から爪先まで雷が走ったように痺れたのだった。実際、私にとって必要なものは、他の人にとって必要ではないもので。
　私が墓に入るのを防ぐ訳では無いものは、本当に必要なものなのだろうか？はたして、それは。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[遮断桿をうつして]]></title>
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            <pubDate>Fri, 27 Dec 2024 01:41:07 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[寒空の下、コートのポケットに手を突っ込みながら赤のランプが消えるのをただ待つ時間であった、はずだった。寒いしお腹が空いたしで、長いなぁと思っていれば、赤に照らされながら微笑む青年がいるのに気がついた。
　カメラを覗き込む彼の顔は、あどけなくて、本当に好きなんだなという感じで、なんだかすごく素敵に見えた。誰かから愛情を注がれていて、好きな物を好きと言える環境にいないとできない顔。
　電車が好きなのか…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[サンタクロースの真実]]></title>
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            <pubDate>Tue, 24 Dec 2024 11:59:45 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[毎年、この晩だけはベッドサイドに小さな机を置いていた。その上にはコップに入った牛乳と、甘いクッキー。翌朝起きてみればなくなっているのだから、いつ食べに来たんだろうとプレゼントを抱えて窓辺に思いを馳せるのだった。
「今年も会えなかったなぁ……なんで起きてられないんだろう」
「あ！プレゼントなんだった？」
「おはよう。まだ見てないんだ、これから……ねぇ、サンタさんに会えた？」
「サンタさんに？なんで会…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[ギフト]]></title>
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            <pubDate>Fri, 22 Nov 2024 08:28:31 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[「いらっしゃいませ。本日は何をお求めでしょうか？」
「何の才能がありますか？努力の才能が欲しいのですが……」
　初老の白髭を撫でて、そうですねぇと呟きながら、彼は一つの瓶を手に取る。
　瓶の中で、とろり、粘度の高そうなオレンジ色に光る液体が揺れる。店内の少ない明かりにきらり、反射する。
「お客様、努力の才能なんてないんですよ。それは、貴方の」
　怠惰
　そう唇が形作ったと思えば、ガバリと起き上がっ…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[ポストアポカリプス]]></title>
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            <pubDate>Wed, 20 Nov 2024 12:00:31 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[ガラリと崩れる瓦礫の山と、細かい石だらけの地面。寝るのも一苦労なものだから、ついふかふかのベッドに思いを馳せてしまうが、そんなものはここにはない。背中を擦りながら起き上がり、塵を吸わないようにマスクのフィルターを交換する。
　周りには人はおろか生物すら存在していなくて、音を立てるのは風と、瓦礫と、自分だけだった。そしていつもの様に、やるべき事をただこなすだけ。
「この星もやっぱ駄目そうかぁ……大元…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[もう少し、共にいさせて]]></title>
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            <pubDate>Thu, 12 Sep 2024 14:17:18 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[まだ色の薄い朝の光で、目覚める。ベッドに沈んでいた身体を起こすべく手をつくと、広いそこにもう体温は残っていなかった。もうとっくに着替え始めていて、夜の沙汰なんてまるで証拠すら残らないように、丁寧に丁寧に布に指を滑らせる仕草がどうにも寂しく思えて仕方がなかった。
　貴方は夜を私にくださるけれど、朝にはいつも手のひらから溢れるように居なくなってしまう。夜を慰み幸せにしてくれるのは貴方なのに、朝に絶望の…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[早く出会いたかった]]></title>
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            <pubDate>Tue, 16 Jul 2024 22:19:35 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[親友に恋人ができたらしい。頬を朱に染めながら私に教えてくれた彼女は、恋のおかげか、愛のおかげなのかいつもよりも艶っぽく見えた。
「ぽっと出のくせに、あたしの方が」
　なんて思っていれば、惚気モードに入っていた親友は聞いてもいないことまで話し始める。そして、恋人は幼馴染なんだと告げられた。念願叶ったと。
（なんだ、ぽっと出あたしじゃん）]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[猿轡]]></title>
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            <pubDate>Fri, 12 Jul 2024 09:05:35 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[今日もまた、冷たくて重い鉄を嵌める。
偽善、社交辞令、口からはいつだって思ってもいないことを吐き出し、微笑みの仮面をつけたままで過ごしていくひとたち。
　夜になって１人になれば、全て外せる人もいるし、外し方を忘れてしまった人もいる。
　曲学阿世の徒のみなさんは、自分を吐露できる居場所、ありますか？]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[１日乗車券]]></title>
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            <pubDate>Wed, 10 Jul 2024 00:27:00 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[前後にゆらゆら揺れて、左右にいきなり衝撃がかかるこの感じが好き。座席のすみっこに座って、ぼんやり乗り続けるのはいいストレス発散になっていた。
　車内を忙しなく、幅広い人たちが降りては乗ってを繰り返しているのを観察しては、背もたれに全てを預けて微睡んでいた。段々と人が減ってくると、好きな頃合いで降りて宿を探す。そんな休日を今日もまた過ごして、明後日からがんばろうかな。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[蛇足]]></title>
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            <pubDate>Tue, 09 Jul 2024 01:06:43 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[朝起きたら、羽が生えていた。
　背中に違和感があるなぁと思って鏡を覗くと、ぴょこんと小さな、手のひらほどの白い羽。手品用の鳩みたいな、明らかに人間用のサイズではない羽が。いつか成長するかな、と思っていたけど大きさの変化は全くなかった。
　初めはびっくりしたけど、生活に影響もなかったしいつの間にかすんなり受け入れていた。
「でも、こんなんじゃあ飛べないよ。まるで蛇の足だ」]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[よふかし]]></title>
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            <pubDate>Mon, 08 Jul 2024 12:22:22 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[生暖かい風が、肌にまとわりつくのはそこまで嫌じゃなかった。日中のような照りつける太陽はもう駆けていってしまって、そこまで酷く暑くもなかったから。
　夜はすべてが自由だった。煌々と綺羅めく月だけが光だった。誰かに邪魔されることもなく、車も通らない道路にわざわざ出ていったりするのも好きだった。
「こうやって土の上に寝転んだっていいんだよ、きみも、後のことなんて気にしないで、やろうと思ったことをそのまま…]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[天の川を渡って]]></title>
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            <pubDate>Sun, 07 Jul 2024 06:06:14 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[暑すぎて、こんなんじゃせっかく会ってもめいっぱい楽しめないんじゃないかと思った。夜だって茹だる様なのに、ちょっと可哀相だ。いや、空は涼しいのかな。
　でも今年は天気も良いし、きっと久しぶりの再会を喜んで色々と話せたりするのだろう。一年もあれば積もる話ばかりにもなる。
「年に一度でも会えるなんて、羨ましいな」
　そう呟いて、笹の葉に短冊を引っ掛けた。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[くらげのななり]]></title>
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            <pubDate>Sat, 06 Jul 2024 10:41:47 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[ぷかぷかと揺蕩う君みたいになりたかった。変に寄ってくる何者にも邪魔されず、全てを弾き返して孤高に漂っていられる君に。
　不老不死になりたい訳じゃないけれど、ただ疲れたから。君みたいになれたら、空色に輝く浅瀬でも、宇宙色に染まる深海でも、自分を保っていられたのかなって思ったんだ。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[蜃気楼]]></title>
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            <pubDate>Fri, 05 Jul 2024 12:09:03 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[渇望するものこそ、幻として眼の前に現るものだ。
ゆらゆらと蠢いて、輪郭のはっきりしないそれを触ることもできず、掴むこともできず。それが結局最期のページにまで立ってくるのを見て、
「やっ、ぱり、やめとけばよかったのかなあ」
なんて思ったって、もう遅い。
　煤で汚れた容れ物は動かせず、その中身はもう思案すらできなくなっていたのだから。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[断金の交わり]]></title>
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            <pubDate>Fri, 17 May 2024 12:13:36 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[「モリ突きにいこう」と、突拍子もないことを言っても、「コオロギラーメンとか、気にならない？ゲテモノいこうよ」とかいきなり誘っても、二つ返事でこんな私とアクティブに人生を生きてくれる幼馴染が私の最高の親友だ。
　二人でいつも笑いあって、二人でいつだって一緒にいた。なんだって話した。喜びも、悲しみも、悩みも、懺悔も。
　人生における実績を解除して回るべく、私達は今日も走っている。]]></description>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[夜のよすが]]></title>
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            <pubDate>Thu, 16 May 2024 06:57:42 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[巨大な水槽を上から覗き込むと、彼らの背びれと鱗が水面に乱反射してゆらりと光る。ちかちかとオーロラのように様々な色を映し出す彼らはもう眠たそうだった。薄暗い階段を手探りで降りていく。
　ここの閉館時間は20時。館内はもう暗くなっていて、手に持つ懐中電灯がないとほとんど前も見えないところはちょっとだけ好きだった。みんなの水族館を独り占めできる宿直は、魚と沢山話すから寂しくないしな。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[うまのはなむけ]]></title>
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            <pubDate>Tue, 14 May 2024 02:25:55 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[行くな、なんて口が避けてもいえない。
　昔からの幼馴染で、何をするにもどこへ行くにも一緒だった君が、無期限の留学に行くと。ずっと服が大好きだった君は、本当に夢を叶えに行ってしまうんだと思うと、そんな所が羨ましい気持ちと笑って見送らないとという気持ちとで気持ち悪い感情が渦巻き始めてしまった。最後の家ぐるみの晩餐では、うまく笑えていただろうか。明日の空港も、行けるかな。]]></description>
        </item>
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            <title><![CDATA[似たもの同士]]></title>
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            <pubDate>Mon, 13 May 2024 08:26:59 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[今日も雨。早めの梅雨もどきは私の頭の中までどんよりと曇らせていた。人間関係、やらなきゃいけないこと、家族のこと、悩みは尽きることもなく。最近では濡れたり湿気で髪の毛が跳ねるのがストレスとしてチクチクと心を刺してきていた。
　毎日飽きもせず通る通勤の道には芍薬が美しくもうなだれて咲いていた。自重に耐えられなくなりそうな自分と重ねてしまって、久しぶりに笑えた気がした。
「きみもわたしとおなじなのかもね…]]></description>
        </item>
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