BlueskyでJR東日本の週末パス販売終了に対しての反応を見た。
関東甲信越・南東北が土日の2日間乗り放題になるきっぷで、私も10年近く前に一度使ったことがある。その際は、当時住んでいた会津若松から只見線(当時一部代行バス)で小出に抜け、浦佐駅近くのホテルで一泊し、そこから奥只見ダムにまわるルートだった。1日2往復しかないバスの時刻を覚え間違えタクシー代に1万円を費やした末に会津若松に帰還したのを覚えている。
しかしその当時から社会情勢、特に鉄道を巡るものはいろいろ変わっていったように思う。
風水害や雪害などによる輸送障害の増加
少子高齢化の急激な進行による人手不足の深刻化 → それに伴う乗車券発売所の削減、メンテナンスコスト削減要請からのSuica専用自動改札機の増加
10年前当時はフィーチャーフォンとAndroidでしか利用できなかったモバイルSuicaがiPhoneや各種スマートウォッチにも対応
先日JR東日本がモバイルSuicaをコード決済化など発展させていくことを発表
一般にこのようなフリーパスは、輸送障害で利用できなかったとしても救済を受けられないし、その他の事情は従来型の乗車券には、ややもするとSuica物理カードに対してすら、不利に働く事情だ。
一方で訪日客向けの商品を拡充したわけだが、上記のSuica対応端末の増加はあくまで日本国内で販売されているものという条件が付き、FeliCaが一般化していない海外から来る人が持っている端末でそれを期待するのは厳しい。また、入国者向けに空港などに係員を集中配置するという戦略が想像できる。訪日客に限らず高齢者層もそうだが、時間に余裕がある人向けの商品であれば輸送障害に対する救済がないこともデメリットになりにくいのではないかと思われ、個人的にはこのような情勢変化がJR東日本のこういった判断につながったのではないかと予想するところである。
2月は二度の3連休があるが、月に1回程度帰省している私が今月は会津若松には帰省していない。その間、記録的な豪雪による交通麻痺が続き、もし帰省していたら埼玉の自宅に戻ること叶わず、仕事に支障があった可能性も高い。
帰らなかったこと、出かけなかったことに安堵するという状況。これはしかし、公共交通機関や旅行業界にとっては致命的だ。このようなことが続けば、特にこういったフリーパスのようなものはますます買い手が少なくなるのも無理からぬことである。
また、鉄道はレールの上を走行することから、災害が起きた際に逃げ場がない。豪雨災害や豪雪災害が激甚化する昨今、私自身帰省の際、時間的余裕がなく自動車の利用を控える局面であっても、途中まで新幹線にし途中からは在来線ではなく高速バスを選択することも増えた。
もう「鉄道に乗ること」を目的とする旅はできないのではないか…どちらかというと魅力ある観光地を選び、そこに行ける手段として何が使えるかを―場合によってはいくつか候補を挙げて―考えて行くのが旅なのではないか、私はふとそう考える。
寄り道的な発見はできなくなるが、もしそれも含めた旅に出ることを考えた場合はそれ相応の覚悟が必要になってしまうのではないかと。