はじめに
当文章はmisskey.dev ユーザー Advent Calendar 2024の24日目の記事です。今年は私が好きな革靴とお手入れのための靴磨きについて語ろうと思います。
初めての革靴
私が初めて本格的な革靴を購入したのは新卒で入社する直前の3月のことです。毎日スーツを着るタイプのSEになることが決まったので、かっこいい本格革靴ってやつが欲しいな~と思って調べていたところ、アウトレットの実店舗にスコッチグレインという革靴屋があるとのことで見に行きました。
店舗では様々な革靴が置いてあったのですが、当時の私は何を選べばいいのかさっぱりわかりません。スーツでピシッと決めた店員さんに助けを求めたところ、まずは足のサイズを測りましょうということで測ってもらいました。そして4月から社会人なんですよとお伝えして、おすすめされたのが下記のモデルです。
https://www.scotchgrain-shop.com/item/F0352BL.html
内羽根式のストレートチップ、最もフォーマルな形です。当時は2万円前後だった気がします。革靴は伸びるのでタイトにするのが基本とのことで、サイズは足長より1cm小さい24.5cm。試し履きしたところ、かなりきついし、反りが硬くて踵が抜けそうになるしで、本当にこれで合ってるのかと不安になりました。しかし、美しく絞られた流線型のフォルム、アッパー(甲)やライニング(裏材)まで革が張られた重厚感、本物の革の独特な匂い、その全てがリクルート用に履いていた合皮の革靴とは作りの格が違うということを訴えてきます。しかも、このときの店員さんが素晴らしく丁寧で気の利いた接客で、信じてみてもいいかな...と購入に至ったのでした。
その後
履き始めたころは、踵や親指、小指の靴擦れが酷く、絆創膏を張ったりして対応していました...。苦行です。当時は新社会人で色々慣れてないにもかかわらずです。
どうにか軽減しようと調べたところ、オイルで揉むと革は柔らかくなるらしいことを知ります。そこで購入したのがコロンブス社ブートブラック リッチモイスチャーです。結構いいお値段しますが、どうしても痛い小指の当たる部分に重点的に使用してみたころかなり効果がありました。また、私は足の甲が低いので、紐をきつめに締めても次第に足がつま先側に滑ってしまい痛くなってしまいます。そこでタンパッドという足の甲側のクッションを張り付けて物理的に滑りにくいようにしました。こっちも割とお値段しますが...
こうした苦労の甲斐もあり、週2,3回の頻度で履き続けて1年もすると、靴が足に馴染み始めて痛みを感じる頻度がかなり減りました。12月現在、そろそろ2年が立ちますが、完全に足が馴染んで、痛みを感じることはなくなりました。ピタッと足が包まれる感覚です。全力疾走もできなくはありません。こうやって足に合わせて靴が育っていくのが革靴の醍醐味だなと実感してきたところです。
靴磨き
さて、革靴はお手入れが大切です。一日履いたあとは馬毛ブラシで軽くブラッシングが必要です。どんなに高級な革靴でも、埃や汚れ、キズがそのままになっていると、見た目が悪いだけでなくカビが生えてクリーニングに出す羽目になります(人の皮脂や靴クリームはカビの大好物)。
私は履いたあとのブラッシングの他に、ひと月に一回程度を目安として靴磨きをしています。たまにサボってますが...
基本的なお手入れの手順は下記となります。
馬毛ブラシでほこりを落とす
クリーナーで全体をふき取る
乳化性クリームを全体に塗る
豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
革のケアのためのお手入れは1~4の手順で十分ですが、更に艶を出して鏡のように景色が映りこむようになるまで磨く「鏡面磨き」という磨き方があります。芯材がある硬い部分にワックスを層になるように何度も塗り、水を含ませたクロスで磨くことで革の表皮の凸凹が均一になり鏡面となります。これをすることで一気に雰囲気が引き締まってカッコよくなります。
鏡面磨き前
鏡面磨き後
写真の撮り方が下手なのはご容赦ください。一応、鏡面磨き後のほうが光源の軸がはっきりして奇麗に光を反射していると思うのですが...実物は結構わかりやすく鏡面になっています。とはいえ、近づいて見るとワックスのムラがはっきりとわかってまだまだだなぁ...となります。
おすすめの本
上の写真にも写っていますが、靴磨きをするにあたって長谷川裕也氏の「続・靴磨きの本」は非常に参考になるのでおすすめです。靴磨きの必要性から始まり、適切な道具の選び方に、革靴のあらゆる部分のケアの方法までを画像付きで解説しています。靴磨きに興味がある人はまずこの本を見て始めると間違いがないと思います。
必要な道具について
私は基本的にコロンブス社製のブートブラックシリーズで揃えるようにしています。ハンズにいけば大体あるので入手性が高いのがメリット。
ツーフェイスプラスローション
乳化性クリーム
ハイシャインベース(鏡面磨き用)
ハイシャインコート(鏡面磨き用)
ハイシャインクリーナー(鏡面磨き用)
更に大事なのがブラシですが、適当に買い集めたのを使用しているのでおすすめがわかりません。ここでもコロンブス社製なら間違いないと思いますが...とりあえず下記の種類のブラシが必要になります。
馬毛ブラシ(ほこり・汚れ落とし用)
豚毛ブラシ(クリームを塗りこむ用)
山羊毛ブラシ(仕上げの艶出し用、無くてもいい)
初めての一足
ちょっと革靴に興味が出てきたかも?という方は、私と同じようにスコッチグレインのアウトレットから手を出すのがいいと思います。レギュラー品との違いは革にスジ模様などが残っていることですが、製法はレギュラー品と変わりません(グッドイヤーウェルト製法)。確かに私の靴にもスジがありますが気になるほどではありません。オンラインストアもありますが、初めての一足は実店舗でプロの店員さんにアドバイスを頂くのが確実でしょう。私は二足目はオンラインストアで同じサイズを買いました。
最後に
ということで革靴について軽く語りました。お分かり頂けたかと思いますが、革靴は合皮や化繊系の靴などと比べると手間がかかります。とはいえ、無心になって靴磨きをするのはいい気分転換になりますし、磨きの出来映えで一喜一憂しながら上達を感じたりと、奥が深い趣味だな〜と思います。しかも、自分でお手入れをした革靴は毎日の通勤のモチベーションになるという実益もあります。革靴はソールを張り替えながら丁寧に履き続ければ10年以上は持つらしいので、長く付き合っていきたいです。以上、お読みいただきありがとうございました。メリークリスマス!🎅🎄