西鉄バスが新生活応援とかで福岡市内一日フリー乗車券を300円で販売しているので、ずっと気になっていた洋服の現物を確認して試着するためと、その他買い物を済ませるため天神へ出かけた。バスに乗ると、窓の外を眺めるだけで楽しい。ベローチェの窓際の席で、兄妹と思しき姿形のよく似た白髪の男性が身を寄せ合って何かを話していた。少し高いところから見る歩道を行く人のほとんどが、片手にスマホを持って歩いている。その中に、艶めいた黒いスーツを見に纏った人がそわそわした様子で混ざっている。誰にとっても新しい生活が始まっている。
天神では、狙っていた洋服がネットでは完売していてページも削除されたため、ダメ元で店舗に在庫がないか確認しようと思ったのだった。店員さんをフロアを渡り歩いて探すものの、誰一人いない。初めて降りたキッズフロアに、年齢別の身長対応グラフがあり、150cmは10~11才になっていた。あまりに店員さんがいないため、レジに並んでみることにした。いざ店員さんに聞く段になって奇跡の復活を果たしていて、ものすごく気まずくなった。その後本屋に立ち寄ろうと思ったのに、忘れてしまった。
せっかくの乗り放題券なので、その足で職業安定所に行くことにした。失業給付金を受けるための書類を提出すべく窓口に向かうと、先月そこそこ気まずい思いをした担当者の人に再度あたった。確認事項を読み上げられ、返事をする声に意図せず力が入る。当たりを見回すと、順番待ちをしている人のほとんどがスマホに釘付けだった。付き添いできている4、5歳くらいの女の子もずっとスマホを触っていた。静かに過ごせたが、これでいいのだろうかと疑問が湧く。
無事手続きを終え、自宅までのバスに乗るためバス停まで20分ほど歩く。途中、青信号で横断歩道を渡っていたのに、ノールックなんかというほど速度を落とさず左折で突っ込んできた車がいた。あまりの速度に、自分が信号を間違えているのかと思わず確認してしまった。ここで「なんじゃこいつ」と思えるメンタルがあるといいのかもしれない。
夜はよだれ鶏か油淋鶏かで迷って、油淋鶏にした。妹がよだれ鶏にしたらしく、家族だなと思う。
たまたま見かけた「最初に見つけた3つの言葉が今あなたに必要なもの」というよくある画像があり、「きおく」「まもる」「ゆめ」だった。記憶を守るためにこうして日記を書いているのだよな、と思う。