2月25日(日)晴れ|表彰式、トークショー、小倉城

林芙美子文学賞の表彰式・記念トークショーを見に北九州へ。昨年応募しようと思ったものの結局一文字も書くことができず、「私は商業出版はしない。自費出版でやっていく」と見栄を張ったものの、締切を過ぎてからもずっと気がかりで、「ああ、私は出したかったんだな」と悔しさが込み上げてきて、いまも「林芙美子」の文字を見ると動機がする。そんな締切に間に合うことができて、受賞までした人の顔を見ておこうと思ったのだ。

ステージの上にはスーツを着た男性が二人、スーツ姿で拳を膝の上で握りしめて座っていた。今年の受賞者は二人とも男性だった。うち一人が、受賞に際して一言求められ「一言じゃないですけどいいですか」と返し、笑いを掻っ攫っていた。その人が着ているオレンジのスーツが、より明るく光を放った。

商業出版するとなると編集者がつき、締切があり、書きたいものを書くというよりは「こういうものを書いてください」という依頼に基づいて書き進めるのが一般的なようだ。私はそのスタイルで書いていけるのだろうか。誰かに頼まれて書き、手直しされたものに納得している自分の姿はあまり想像できない。

授賞式が終わり、受付で渡された封筒を手に会場を後にした。中には受賞者の作品が収録された厚めの冊子が入っていた。1月26日に受賞者が決まってから、約一か月でこの冊子を仕上げることの大変さに思いを馳せた。

会場となっていた商業施設を出ると、目の前に小倉城があった。思ったよりもこぢんまりとしていたけど、凛として佇んでいた。お城を眺めながらスーパーで買ったおに唐弁当を食べた。

今日は頭が回らないからこの辺でやめておく。

@kusundatofu
いろんなところではみ出しながら生きています。郷土玩具、ラジオ、無駄なものが好き。