MINOU BOOKSで開催される浮さん・牧野容也さんの演奏会のために久留米へ。お二人のことは詳しく知っているわけではなかったけど、場所がMINOU BOOKSということと、告知を受けてサブスクでちょっと聞いただけで浮さんの歌声に引き込まれてしまって、参加を決めた。
生で聴く浮さんの歌声は凄まじかった。ちょうど昨日進めていた原神のストーリーで神様のような存在に歌を捧げていたが、まさにそれだった。神様に捧げるものとして歌声があるのなら、浮さんの声だと思った。最初に声が発せられた瞬間、魂が喜んでいるかのように体が震えた。この音楽は消費してはいけないと思った。無意識のうちに背筋が背もたれから離れ、ぴんと伸びていた。それくらい全身で余すところなく浴びたいと思った。食べ物が体を巡って排泄され地球に還るように、味わって循環の中に入れたいと思うほどだった。すべてのものは振動していてその影響が世界を形づくっているというが、浮さんの生み出す空気の揺れが体や魂をまるごと包み込み、その振動でどんどん癒やされていくような感覚を味わった。あまりに良くて、持ってもいないくせに帰りにレコード盤を購入した。レコードプレーヤーから発せられる音で聴きたかったし、何より実体があることで宝物になる。
久しぶりにMINOU BOOKSに行けたのもとてもうれしかった。相変わらず目を動かす度に欲しい本が増えていく本棚で、文字通り目移りした。でも、目当てにしていた國分功一郎や鷲田清一の本はなかったから、後日e-hon経由で取り寄せることにして、今日目をつけた本もそのときに購入することにした。久しぶりにひふみさんにも会えて、zineの表紙や別件で依頼しているイラストを描いてくれたお礼も言えた。店主の石井さんにはzineが完成したものの乱丁があったから修正して後日持ってきます、と伝えられた。こんなに知的好奇心や文化・芸術欲が満たされ、なおも広がるような場所が県内にあることがとてもありがたい。
帰りは夜道を走れてドライブ気分で楽しかった。車内はさっき聴いたばかりの浮さんを流した。窓から見える月がより一層輝いて見え、いつまでも私の真横を走っていた。