20241109

kyri
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先月受けた論文試験、受かってた! これで残りは最終の面接試験だけになった。上司や部長にも添削してもらった論文だったので受かってひとまずほっとした、が、面接試験は本社の方で行われると知らされて途端に逃げ出したくなってしまった。2年ぶりの本社だ。もうこの日記では何回も何回も書いてるけれど、私は半ば逃げ出す形で本社を去った人間なので、また行かなきゃいけないのか……と思うと本当に気が重い。そしてこれも以前日記に書いたけれど、北陸新幹線が敦賀まで延伸になったおかげで敦賀乗り換えがなかなかにハードになってしまってこれもまた気が重い。そしてこれも(以下略)私は他の同期と比べるとかなり遅くにこの試験を受験しているので、今更私なんかが受けたところで……というか、何周も遅れてる自分のことを再認識することになってしまって気が重い。でも、そんなこと言ってないで、もうここまで来たからには腹を括って挑みに行くしかもう道はない。ということで今日は靴を買いに行った。これも以前日記に書いたけれど、唯一持っていたパンプスが死んだので。パンプスを持たない人生って一体どんなんだ。仕事用に服や靴を買うというのが昔からめちゃくちゃ嫌で、嫌すぎて今では会社にもスニーカーかドクターマーチンで行ってるのでこんなことになる。ヒールのある靴でどうやって歩いてたかもう忘れてしまったよ。でも結構いい靴を買ったので、慣れるためにもたくさん履いていかないとな。ということであと少し、もう少し、頑張ろうと思います。


『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は原作も読んでいたけれど原作よりも圧倒的に映画の方が好きだった。呉美保の映画は『そこのみにて光輝く』と『きみはいい子』しか観たことがないけれど、この2作品に共通するものがこの映画にもあったような気がした。呉美保は、人がぎりぎりのところで、それでも、この瞬間があるなら生きていけるかも知れない、という、「この瞬間」を見せるのがすごく素敵な人だなと思う。『きみはいい子』以来の長編映画だということでちょっと驚いた。もっとたくさん撮ってるかと思ってた。でも、9年ぶりのこの長編映画はやっぱり呉美保の映画だなと思った。

原作を書いた五十嵐氏はこの映画化にあたって、聾の当事者の人に関わってもらいたいという希望を出していたそうだ。そういうわけでの忍足亜希子なのだろうけど、だけどこうして聾の方が実際に役を演じるのは、心から良いことだな〜と思う。私は三宅唱監督の『ケイコ、目を澄ませて』でケイコを聴者の岸井ゆきのが演じたことに盛大にもやりすぎて三宅監督自身まで嫌いになりかけたことがあったのだけど(しかしそれは『夜明けのすべて』で綺麗に払拭される)何がもやるかって、聾者を演じるということが聴者の役者にとって「大きな挑戦」とかそういう感じに捉えられてしまったりするから、というのと、そうやって聴者に「大きな挑戦」に身を投じさせるために当事者が置いていかれることになる、というのと。いや、聴者も聾者もごちゃ混ぜのオーディションがちゃんとあって、全き公平にジャッジされて結果聴者に役が回ったのであればそれでいい、が、私にはまだそうは思えない。聾者が選ばれなかったということにたとえば聾者の役者の知名度が足りないからとか、そんな理由があるとするならそれは聴者側の責任だ。聴者が圧倒的マジョリティの映画やお芝居の世界で聾者の存在を顧みてこなかったのは聴者の責任だ。そういうことを三宅監督が地元のミニシアターに舞台挨拶に来たときに突撃しに行こうかと思ったのだけどきっと『ケイコ』を賛辞してる人たちが大半を占めるであろう空間でそんな質問ができるとも思わず、結局行かなかった。そういう意味では『コーダ あいのうた』はやっぱり画期的だったなと思う。役者の知名度が足りないとか、そんなのは全く問題にならないのだとあの映画は言っていた。そして、本来そうあるべきである。

原作よりも映画の方が好きと書いたけれど、映画には描かれなかった印象的な原作エピソードもいくつかあって、たとえば同じ学校にいたコーダの女の子が学校の作文コンテスト? で自分の両親のことを書いて発表したこととかはすごく好きだったというかすごく覚えていて、このエピソードが映画に入ってないのはちょっと意外だった。興味がある人は両方に触れたらいいと思う。『そこのみにて光輝く』も『きみはいい子』も映画を観てから原作を読んだけれど、呉美保の映画は呉美保色がすごくあって、映画の空気と原作の雰囲気に結構距離があると思うので、どちらも新鮮に楽しめるような気がする。

友達にものすごい吉沢亮のファンがいて、彼女の影響で私も一時期何となく吉沢亮を追いかけていた時期があったのだけど、久しぶりに彼が出演している映画を観て、やっぱり良い俳優だなと改めて思った。彼が感情を溢れさせるところ、何回でも見たい。顔の良さに全てが持っていかれてしまうのはあまりに勿体無い人だと思う(しかし実際めちゃくちゃ顔は良いのだけど……)あとこの映画に出てた子役の子、目元にすごく吉沢亮の雰囲気があってよく見つけてきたなこんな子! と思った。あの子も成長したらきっと美人になるでしょう……。

それにしても私も濱口竜介監督と同じで、昔から手話にものすごく惹かれている。映画で手話を見るたび美しい言語だなと思っている。頑張って勉強してみようかな。でも、これは手話に限ったことではないのだけど、私は左利きでだいたいの手の動作が人とは逆方向なので、自分でも頭が混乱するんですよね……(ラジオ体操とかも人と反対に動いてしまう……)

@kyri
日々と二次創作の間で