留守番2日目。今日は朝から従妹のお店で髪を切る。ズートピア2のニック・ワイルドが頭から離れない話をする。この日記もZooとTry Everythingを聴きながら書いている。いや〜もう一回観たいな、ズートピア……
早々に帰ってきて、小説は今日で終わらせるのだという気概を持って取り掛かる。終わりました! 結局思った通り第二部は1chapter、9000字ちょっとで終わってしまった。それは第二部というかエピローグ。いやでも終わったものは終わったのだ。初稿が上がっただけなので本番はこれからなのかもしれないけど、とりあえず今年の創作活動はこれにて終了で、推敲は年が明けてからにしようと思う。ちょっと時間を置かないと何を直せばいいのかもよくわからない。時間を置いたところでわからないことの方が多いですが……
なんか、年々終わりどころがよくわからなくなっているというか、昔はもっと「ここだ!」みたいな感覚で終わらせることができていたのだけど、今回は一度書いて消して、もう一回なんとなく復活させたら「あれっ……もしかして、これで終わりかな……?」と気づいた。そんなぬるっとした終わり方をしたこと、今までなかった。だから推敲したら結末変わるかもしれない。それもまあいいか。むしろ大きく直した方が、本になったものを買っていただく動機にもなるかもしれない。
第二部で二人は海渡の故郷に行くけれど、最初は、第二部で海渡がいなくなることを考えていた。第一部で二人の出会いから海渡が自分の過去を打ち明けるところまでを書いて、第二部は海渡がいなくなったしまったあとに北斗が一人で海渡の故郷を訪ねるという展開を考えていた。だけど、半分くらいそのつもりでいたのだけど、書き始める直前になって、やっぱりいなくなるのは悲しすぎる、別にいなくなる必要なんてないじゃん! と思い直して、二人で海渡の故郷を訪ねてもらうことにした。こんなふうに、私はどんどん、登場人物に対して甘くなるというか、物語にとって何が最善なのか、判断が鈍くなっていっている。もしかするとこの物語にとっての最善は、最初に考えていた通り、海渡がいなくなることだったのかもしれない。だけど、北斗の気持ち的にも、自分の気持ち的にも、どうしてもできなかった。この結末が、この物語を損なうものになっていなかったらいいなと、今はそう願うしかない。
正直、これはめちゃくちゃ自信作! とは思っていない。ただ準備して、計画通りに進むように注意深く書いて、なるべく脱線しないところで終わらせた、という感じ。それは今年の初めに書いた女子高生たちの小説も同じだった。これが会心の出来! とは、もうなかなか思えない。だけど、それでもいいって思う。今に至るまで書き続けているのは、ただひとえに、自分のため。私にとっては、頑張って書き上げることができたっていうその成功体験こそが大事。自信作とも思ってないものを人に読ませるなよっていうのはそうかもしれないけれど、たとえこの小説を人からどう思われても、つまらないって思われても、才能ないって思われても、書き上げられたってだけで、私はそれで大丈夫って思う。だけど、それでもprivatterやSNSにpostして、毎回絵文字をつけてくださったり、postにいいねを押してくださる人たちがいたことには本当に、本当に励まされた。自分のためだけでいい、人からの声までは求めないって思ってたけど、それでもやっぱり、皆さんのリアクションは私を助けてくれた。ありがとうございました。年が明けたら推敲して、直し終わったらpixivに投稿して、それから本にしようと思ってます。あともう一踏ん張り、頑張ろう。でも今年はもう創作は終わり。今年の残りはひたすら読書に使おうと思う。
同じ簡潔な一文でも、無意識にあっさり書かれたものより、混乱と逡巡の末にようやくたどり着いた文章の方が美しい。もちろん見た目には何も変わらない。途中の痕跡はきれいに消え去り、最初からこの姿でここに置かれていたのです、とでもいうようなさり気ない、しかし確固とした風情を漂わせている。にもかかわらず、やはり、残酷なほどに誤魔化しきれない違いが、そこにはある。何度もその一文に触れた、作者の指の体温が、言葉に奥行きを与え、そこにこだまする音の響きが美しさを生む。その美はこれ見よがしにこちらに迫ってくることなく、あえて美しいと名づけられることも求めないまま、言葉の連なりの陰に身を潜めている。
小川洋子『遠慮深いうたた寝』河出文庫 p.263.
初稿をprivatterとSNSにアップし終わって、『遠慮深いうたた寝』の続きを開いたら、大好きな映画『ドストエフスキーと愛に生きる』の話があって、そこに書かれていた文章がとても印象的だった。私の文章は、日記にしても小説にしても勢いしかなく、とにかく立ち止まるのが嫌いでとりあえず書いてしまおうという気持ちしかなく、小川洋子の言うところの「無意識にあっさり書かれたもの」でしかない。だけど、この3ヶ月間書き続けた『Sail to Polaris』をよりよいものにするためにも、何度も文章に目を通して、手を入れたいと思う。めちゃくちゃ推敲苦手だけど。でも、自分ができないから、何度も何度も目を通して、書いては消して、直して、翡翠の白菜を作れる人たちのこと、本当に憧れる。だから私も、今回はちょっと頑張ってみようと思ったのでした。
それにしても『ドストエフスキーと愛に生きる』は本当にいい映画なのでぜひおすすめです。私、DVD買ってたような気がするけど記憶が曖昧なのでちょっと部屋を探しに行こう。