look back 2025

kyri
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公開:2025/12/29

年末です。まとめ日記を書かないことには一年が終わらないので今年も書きます。

小説を2本書いた

  • 雪がとけたら羽根になる

今年はまずこれを挙げたい。2024年の暮れに社内試験が終わって、脳のリソースが空いたことでまた小説に意識が向くようになり、また公募にも挑戦してみようかなという気持ちになった。ちょうど2025年の頭に募集が始まった氷室冴子青春文学賞のことをたまたま見つけ、そして今年は私にとって氷室冴子再発見の年でもあったので、これは縁だなあと思いこの賞に応募することにした。2025年1月に初稿を上げて、2月と3月で修正して、3月の終わりに投稿した。(後述のトワイライト・ウォリアーズのせいで脳のリソースがまた埋まってしまったので満足に修正できたかといえば微妙)

成人式を控えた20歳の女子大生4人が大晦日に集合して紅白を見ながら昔の話、主には今この場にいないある一人の同級生の話をするという小説を書きました。私自身が大学生のときに元演劇部の仲間たちと大晦日に集合して紅白を見て、日付が変わって初詣に出かけた思い出があって、その記憶をもとに書いたという感じ。そんなに長い話にもならなかったし、概ね楽しく書いたと思う。これを書くために昔自分が書いた脚本のデータとかも引っ張ってきたりして、色々と懐かしく思いながら書いた。

応募した結果はダメだった。中間発表に残れたらいいな〜と思っていたけど、その中間発表も通過作が5〜6作くらいで門が狭すぎた。悔しかったしたくさん泣いたけど、でも数年ぶりに公募に出せたっていうその実績だけで十分よかったって今は思ってる。別に今となってはプロを目指しているとかはないんだけど、やっぱり人に読んでもらえる、それも私のことを何も知らない人に、となると公募が一番目標に合致する。だからこれからも、私のことを何も知らない人に読んでもらうために、公募への応募は続けていきたいなと思う。

  • Sail to Polaris

『雪がとけたら羽根になる』が終わった後に半年くらいあけて、また書こうかなって思ったのが大体8月の終わりくらい。ずっと創作BLをもう一回書きたいなと思ってて、それがなぜ今年のタイミングだったのかはわからないのだけど、とにかく今書こう! と思い立ち、9月から書き始めた。どうやったら人の目に留まるかなと考えて、この小説を持って2026年3月のJ.GARDENに出ることも決めた。明確な〆切ができたので、これは何がなんでも書かなきゃならない……ということで、12月、ぎりぎり年内に初稿が上がった。自分的にはもっとゆっくり書く予定だったのだけど、どうやら頑張れば年内に終わりそうだ、という見通しが立ったことで、頑張ってみた。

大学生になって学生寮に入った二人がルームメイトになって学校生活を送りつつそれぞれの事情となんとなく向き合って、前向きに生きていこうとする話になりました。でもこんな物語にするつもりでは、正直なかったような……もともと4月に観た映画『SUPER HAPPY FOREVER』みたいな小説を書きたいなと思ってて、そのつもりで構想を練っていたのだけど出来上がってみれば全然違う小説になった。書き上がるまで何が起こるか全然わからない。でもこの小説も自分の大学生活の思い出をたくさん詰め込むことができて嬉しかった。うちの大学の学生寮、調べたら一人部屋だったんだけど私の部活の後輩の女の子が寮住まいで、よくルームメイトの話をしていたことを覚えていたので、10年前は二人部屋だったのかもしれない。

総じて、1年で2本小説を書いたのってここ数年では全くなかったことだから、それをひとまず達成できてとても嬉しい。やればできる! Sail to Polarisについては年が明けたら修正に入って、3月のJ.GARDEN59に出ます。今からドキドキだけど、もうデザイナーさんに表紙を依頼してお金も払ってしまったので、もう後戻りはできないのであった。

独検を受けた

『雪がとけたら羽根になる』を書き上げて少しの間ぽっかりと時間ができて、なんか、人生が暇だな……暇はいやだな……去年もずっと勉強してたけど(社内試験で)、でも結局今年も勉強したいかもしれないな……と思い始めて、ちょうど後述のトワイライト・ウォリアーズのおかげで広東語への憧れがむくむくと膨らみ始めていたのだけど、いや、広東語をやる前に私は独語をやり直すべきでは? と思い直し、調べたらちょうど独検が出願期間だったので、思い立ったら吉日! 受けよう! ということで6月に4級を受けた。勉強期間は大体1ヶ月半くらい。参考書をたくさん買って電車の中とかで読み始めたはいいけれど私の買った参考書が中級レベルのものでもう全然理解ができなくて、これはだめだ、自分が留学していたことも今は忘れよう、ゼロからのスタートと思った方がいいということで4級から始めることにした。週末に図書館に通って高校生たちに混じって黙々と勉強したけど、久しぶりの語学はとても楽しかった。やってくうちに、やっぱり3級から始めてもよかったな……ということがわかったけどしょうがない。蓋を開けてみれば満点に近い点数で4級合格しました。

12月に3級を受けるつもりでいたのだけど、『Sail to Polaris』で頭がいっぱいになってしまって出願を見送ってしまったのを地味に後悔しているので、来年J.GARDENが終わったら今度こそ勉強して3級を受けます。7月に異動でうちの職場にやってきた新しい上司の人が独検2級を持っていたので、その人と仲良く独語の話で盛り上がるためにも頑張ります。やっぱり勉強は裏切らないし、一人でも暇を潰せる人生にしていかなくてはならない。

トワイライト・ウォリアーズ

1月に公開されてから私のSNSはトワイライト・ウォリアーズ一色になり、なんだその映画は? と思っていたところ地元では3月に公開してくれて、喜び勇んで観にいったら見事にテレンス・ラウ演じる信一に落ちた。この日記も3月から4月はほとんどトワイライト・ウォリアーズの話しかしてない。いや、テレンス・ラウの顔が良すぎるんだって…… 毎週のように観にいったし、吹替版は東京と金沢で観たし、原作小説も買ったし(龍頭と信一伝はまだ読んでないけど)BD BOXも買ったし、そして11月のスパークもトワイライト・ウォリアーズ目当てに行きました。今年の映画の成績はトワイライト・ウォリアーズのことしかまともに覚えてないのでベスト10も出せない。ベスト10出せるほど(トワイライト・ウォリアーズ以外の)映画を観ていない……

たくさん人に会った

2023年からSDで二次創作を始めて、そこからちょっと人間関係を作ろうかなと思い始めて少しずつインターネットで人と出会っていったのだけど、今年はその知り合った人たちと直接会って話すということをたくさんやった年だった。6月くらいに、今年は会いたい人に会う年にしよう、と決めて、いろんな人に会いに行ったし、いろんな人が会いにきてくれた。2年前くらいまでは、私はインターネット上にいる一つのフィクションくらいに思われていたいと思っていたけど、今はもっとちゃんと、一人の人間として存在したいと思う。初めて会う人、久しぶりに会う人たくさんいたしここに全部は書かないけれど、やっぱり直接会って、自分の声と体で話して、たくさんお酒を飲んでたくさん食べるっていう体験はやるたびにかけがえがないなって思う。人に会うと心が動いて、私もまた何か書こうって思うし、頑張っている人を見ると私も頑張ろうって思う。私自身は取るに足らない平凡な人間かもしれないけれど、私の周りにいる人たちはみんな頑張っていて、キラキラしていて、そんな素敵な人たちに囲まれているということ自体が私の一つの財産だ。引き続き来年も、会いたい人にたくさん会っていきたい。

その他

  • 夏くらいに唐突にやる気が出て、車の運転の練習を始めた。公道をビビりながらも走れるようにはなったけれど、如何せん怖いので、最近はまたサボりがち……来年も引き続き頑張りたい。いつか県外のお友達が富山を訪ねてきてくれたときにちゃんと車で案内できるようになりたい。

  • 氷室冴子を再発見した。4年ぶりに再読した『いっぱしの女』が染み渡りすぎて、そこから過去のエッセイを漁ったり、ちょうど『銀の海 金の大地』シリーズがオレンジ文庫で復刊するタイミングだったので、毎月買って追いかけて、ちゃんと完走した。

  • 今年は映画を全然観なかった代わりに読書を頑張って、リトルプレスも合わせたら多分130冊くらい読んだんじゃないかな。今まで100冊の大台に乗ったことがなかったので嬉しいけど、軽めのエッセイとか短い小説をたくさん読んだのかなとも思っていて、来年はもっと骨太な本をじっくりゆっくり読むことを目標にしたい。以下今年のベスト本小説編と新書・エッセイ編。中でも総合1位は奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』です。

総じて、今年は個人的には、とってもいい年だった。やりたいことをほとんど達成できたような気がしてる。能登半島地震があったり社内試験があったりした去年を今年で取り返したような感じがする。何より、小説を2本も書けたのが本当に嬉しかった。それからいろんな人に会えたのも。2025年はバーチャルな関係でしかなかった人たちとちゃんと生身の人間として関係できたという点で、私の人間関係が大きく変化・発展したと思っている。人間としての私に会って下さった人も、インターネットでしか会えなかった人も、この日記を追いかけてくださった人も、ありがとうございました。皆さんのおかげで楽しくて、充実して、大満足な一年でした。良いお年をお迎えください!

@kyri
週末日記