20240621

kyri
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公開:2024/6/21

Avril Lavigneのベストアルバムがリリースとなったので、早速Apple musicに入れて聴いているところなのだけど懐かしくて胸がいっぱいになってしまう。彼女もアルバムを経るごとにいろんな側面、というか、いろんな成長と変化をしてきた人だけど、私は今が思春期の只中なのか? と思わせる2枚目のアルバム『Under my skin』がいちばん好きだ。これは私が中学2年生のときに発売されたアルバムで、思春期の只中だったのはむしろ私の方だろうという話だがでもこのときのラヴィーンだって確かに思春期が爆発していたのだと言いたい。思春期のひりついた心がそのまま音楽になって全曲爆発しているようなアルバムです。その後彼女は3枚目でガーリーに転向し、4枚目で離婚の苦しみをいっぱいに歌い、音楽としては1枚目に回帰している。おもしろい。でもやっぱり私は……Under my skinに収録されている「My happy ending」が大好きだなあ〜!


ここ数日ものすごく些細なことでずっとイライラしていて、えっもしかして鬱転もしくは躁転なの…?! このタイミングで?! と絶望しかけたのだけど今日になってみてちょっとましになってきたので、「イライラ=躁うつの症状」という後天的に得た情報に逆に作用されてしまっただけみたい。それにしても、誰しもがそうなのかもしれないけれど、例えば私の場合は躁うつ病だけれど、一度そう診断されてしまうと自分で「じゃあ躁うつとは何ぞや」と色々調べ出して、そして得た情報によって「なるほどこれが躁うつというものか」みたいに、得た情報の通りに自分をカスタマイズしていくことってないだろうか。私はすごくある。

この点について、それから二年後に今一度たずねると、「その当時そんなに深く考えていたわけではないけど」と前置きした上で、それには自分が仕入れた栄養学の知識が関わっていると武藤は話した。武藤は摂食障害と診断されて以降、栄養学事典などを見て、どの食べ物がエネルギーになるか、どの食べ物が血糖値が上がりやすいかなど徹底的に研究しており、その知識が受験期の食生活に反映されているというのである。

(中略)

武藤は菓子パンとパフェしか食べない食生活について、生理現象であることを当時強調していたが、それから二年後、これまでに身につけた知識を利用し、受験は可能でありながらも親には心配し続けてもらえる食べ物を選択していたと話した。つまり武藤は家族モデルにおける患者の役割を、親、医師、自分の三角関係の中で引き受け、患者という役割を担ったまま、受験を乗り切る方法を選択していたのである。

磯野真穂『なぜふつうに食べられないのか』pp186-187.

こんなふうに診断されてから自分が能動的に得た情報によって自分の病気、自分の状態をより確固たるものにする、そしてその中においてうまく立ち回る、ことは実際に起きてしまうのだ。そうなると本当はどこからどこまでが私の純粋なナラティブだったのか分からなくなる。もともとこんな自分だったのか、情報を得て、カスタマイズした自分なのか。「イライラ=躁うつの症状」という情報を仕入れる前の私はちょっとイライラが続いただけでは自分は躁うつか?! だなんて考えもしなかっただろう。けれどもう私はこの情報を仕入れてしまったので、「イライラするってことはやっぱり私は躁うつなんだな」という考えになってしまう。ただちょっと、ふつうの人(という言い方もなんだか変だが)が感じるのと変わらないくらいのイライラだったとしてもだ。私のナラティブは既に書き換えられてしまっているのだろう。

磯野真穂の本は面白いので何冊か持っている。中でも『ダイエット幻想』がすごく印象に残っているのだけどこの『なぜふつうに食べられないのか』もすごく面白かった。私も、今はそうではないけれどすごく痩せていた時期があって、そんな時期に読んだ本だった。今となっては私は摂食障害ではなくて普通に食べることに興味がなさすぎたのと料理をすることに拒絶反応がありすぎただけだろう……ということはわかるのだけど。料理、ものすごく苦手。苦手というかほぼできない。向いてない。だから料理するくらいだったら何も食べないみたいな極端な思考になってしまってものすごく痩せていた。BMI14は流石にやりすぎだった。


明日は日中は勉強して、『パトリシア・ハイスミスに恋して』を観に行くつもり。これ、都会の方では去年上映されていたのだけどこの田舎にあっては今になってようやく公開されるのでした。まあいい、公開されただけいい。すごく観たかった映画だったので、公開してくれて嬉しい。地元からこのミニシアターがつぶれてしまったら私まじで行くとこなくなっちゃうよ……シネコンからでは得られない栄養がある。

@kyri
週末日記