今日で2023年度が終わり。私は毎年年度末になると具合が悪くなるしめそめそしてしまうけど今年は結局そこまで異変をきたすことなく過ごすことができてよかった。とはいえ、精神的には元気だったのだけど、最近ここで毎回書いているとおり口と顔の環境がとても良くない。口が痛いのは毎回書いているとおりで、顔はなんというか、多分顎関節症だと思うんですが……顎が痛いのと、それに引っ張られて頭が痛いかんじ。これが地味にやる気を削がれる。気が散る。気分が沈んでしまう。早く良くならないかな〜!
以下は『オッペンハイマー』と『天使の影』の感想です。ちょっとネタバレしてるかもしれないのでご注意ください。
昨日は『オッペンハイマー』を観て、今日は『天使の影』を観た。しかし、昨日の『オッペンハイマー』はあろうことか眠気覚ましの薬を飲み忘れてしまい、3時間眠気と戦うことになってしまった。なんていう大損。というかここまでくると私の眠気、病的では? トリニティ実験のシーンの爆音で起こされるみたいな感じだった。眠い映画ではないです。ネタバレというほどのネタバレでもないけれども、個人的には眠かったこともあり、出てくる人の顔と名前を覚えられず最後まで苦戦してしまった。でも(でも?)キリアン・マーフィーの青い瞳は本当に綺麗なんだよな。映画の最初の1カット目からキリアンの青い瞳の美しさにバァン! とやられてしまう。ノーランがそう撮ってるんだよね。改めてノーランはキリアンの瞳に恋をしてるんだなあということを感じていた。Can't take my eyes off you. なんというかこの青い瞳を映像の中に存分に収めることができたノーランの幸福みたいなものを感じてしまった。私は人物の関係性を捉えるのに苦労してしまって映画を十分楽しめたとは言えないのだけど、家族は「そこは大体の流れを捉えられたらいいでしょう」と言っていて、そして大いに気に入ったようだった。この映画を必修科目にしたらいいとも。それは言い過ぎだろうと思ったけれど、「オッペンハイマーという人がいたということはもっと知られていい」とのこと。それは確かに。
個人的に思ったのは、オッペンハイマーを主人公にして物語を作る、映画を作る、となったときに、いちばんの山場に据えるのはやっぱりトリニティ実験なんだなということだった。それは原爆を広島・長崎に投下する、という段階になってしまってはオッペンハイマーの手から離れてしまって彼の一存ではどうしても事態を打開できなかった、ということでもあるんだろうけど、アメリカ人にとっては、広島・長崎への原爆投下はやっぱりどこかで現実から遊離しているのかもしれない。トリニティ実験ほどの実感が広島・長崎にはないから、映画にも入れ込めなかったのかな、という感想。でもだからといって広島・長崎の惨状が描かれていないからこの映画はダメですと言うつもりは全然ない。なぜなら主人公はオッペンハイマーで、彼の感情の機微が主題だから。
それにしても、かつてチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンが、トルーマンを演じるんですね……面白かったです。
ああ〜、でも眠かったのは本当にだめ。3時間を楽しむのにこの態度はだめすぎた。できればもう一回観たい。パンフレット買って読んで人物関係も頭に入れたのでやっぱりもう一回観たい。家族は大いに楽しんでるし、私ももっと楽しみたい。でも如何せん、3時間なんですよね……長いとは言わないけど腰とお尻が痛かった……。なんて実のない感想だ……。
今日はファスビンダー『天使の影』を観た。
「ユダヤ人はガス室だ」とか言い出すのでなんだこの映画?! とぎょっとしてしまったのだけどそういう戯曲なんですね。リリーとふたりの男の映画だけど、同じポーズのカットがそれぞれの男相手にあって、それはどちらも「死」のにおいがする画だった。「死に憧れることは生きることよりも容易い」と言うセリフがあって、そうですよね……と反省してしまった。
私はドイツ語が少しわかるので、聴いていて心地よかった。やっぱり定期的にドイツ語を聴きたい。これもまたなんて実のない感想だ……。
昨日から鬼束ちひろを再び聴き始めている。やっぱり良いものは良いです。すごくマニアックな話をしますけど、「焼ける川」初めて聴いたとき誰かの曲と同じ感覚だ……と思っていてそれが誰の曲なのかずっとわからなかったんだけど最近いきなりピンときた。Tori Amosの"Gold Dust"です。ストリングスの響きが似てる。
違う歌手同士の曲を聴き比べてあれが似てるこれが似てると言うことは野暮なことだということは承知しているけど私は自分の中でこうして音楽を繋げることが好きなのだ。なんかそうやって聴く音楽を広げていっているような気がする。