20241122

kyri
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公開:2024/11/23

今年で入社10年目なのだけど、私の会社はそういう区切りの年まで働いた人に特別休暇がもらえることになっていて、入社10年目の人には2日間もらえる。で、これ、2日まとめて取らなくちゃいけなくて、それならと思い、以前この日記にも書いた中之島美術館の塩田千春展に行ってきた。中之島美術館、あまりにも私の働いてる会社(本社)が近所すぎて、大阪で働いてる時は結局一度も行かなかった(平日の会社帰りに行く気分にもなれず、かと言って休日に行くのもまるで会社に行くような気分になってしまうのでそれも嫌)本社に異動になった当初は美術館が近くていいな〜なんて思っていたけど全然良くない。日常と非日常は分けて存在するべき。

なんだかんだで大阪は地元に異動して以来行ってなかったので2年ぶりだった。その間に北陸新幹線は敦賀まで延伸した。この敦賀乗り換え、めちゃくちゃ警戒していたけど蓋を開けてみたら人の流れについていけば大体大丈夫だった。でも、せっかく新しくて綺麗な駅なのに周りを見回してる余裕もなくてちょっと勿体無い。この敦賀乗り換えで得をする人って敦賀に住んでる人だけだと思う。あと久しぶりに乗ったサンダーバードはやっぱり揺れるし寒かった。

大阪は天気も良くてとても暖かかった。美術館、平日だしそこまで人もいないだろうと思っていたら全然人がいてびっくりした。観光客? そこに住んでる人? 何にしても平日から美術館に行けるなんて優雅な人がたくさんいる(私もそうである)

塩田千春は2019年の森美術館の個展『魂がふるえる』以来かな? 他にも何かのグループ展で彼女の作品を見たような気もするけど確かではない。それにしてもあの『魂がふるえる』からもう5年が経っているなんて俄には信じられない。時間が爆速すぎる。

『魂がふるえる』くらいの規模を想像していたのだけど、ボリュームはその半分くらいで、えっもう終わっちゃった……と正直拍子抜けしてしまった。けど中之島美術館が悪いということではなく『魂がふるえる』の規模が特別大きかったのだと思う。で、その『魂がふるえる』で見た作品は大体今回の『つながる私』でも見ることができる。でも私が好きだった焼けたピアノの作品はなかったので少し残念だった。

ボリュームは個人的には足りなかったけどインタビュー映像は充実していてよかったと思う。やっぱり本人から作品の解説を聴けるというのは貴重な機会で、他の誰が横から解説するよりも強度のあるものだと思うので(キュレーションを否定するわけではないですが……)インタビュー映像の中で塩田千春が「こうして糸を編み込んで作品を作るということはすごく時間がかかることで、見た人がその時間のことを想像してもらえたら、現代美術も面白いと思ってくれるんじゃないか」と語っていて、ちょっとハッとした。確かにそうだ。私は展示室に入ってすぐパッと目に入るその作品を見て、だけどそこに費やされた時間のことには思い至ってなくて、だけどこの展示室を埋め尽くす糸は確かに人の手で編み込まれているのだった。(インタビュー映像では塩田千春本人が展示室で糸を編み込んでいる様子も見ることができる)塩田千春は「糸を編み込むのは楽しい」と語っていたけど、それは、祈りに近いのだろうなと思う。個展のタイトルが『つながる私』であるように、糸はどこまでも伸びて、部屋を埋め尽くし、そして何度も交差する。それは人と人が出会い、別れ、だけどどこかでまた再会することを祈っているようにも見える。赤い糸は運命の赤い糸。私たちはどれだけ孤独でいたいと願ったとしても結局はつながりの中を生きている。きっと、誰でもどこかでは、つながっていたいと願い続けているのだと思う。

彼女が美術を手がけている舞台もいつか観る機会があったらな〜と思っているのだけど『魂がふるえる』からそんな機会はまだやってきていない。個人的には『タトゥー』が観たい。

彼女の作品はどれを見ても大体は「いいな」って思えるのだけど、でも『bathroom』だけはちょっと苦手。というのも私は泥という物体が大嫌いだから。幼稚園児だった頃から友達が泥で遊んでいるのを見ても理解できなかった。ああいう、わかりやすく手や体を汚す物体はだめ。なので泥でいっぱいになったバスタブに浸かって延々と泥をかぶり続ける塩田千春だけは理解できない。この映像作品も見ることができるけど、私は早々に逃げた。

鑑賞を終えて、次の約束まで時間があったので梅田まで出向いてウィンドウショッピングをする。ストールが欲しかったのだけどピンとくるものがなくて残念。なんとなく阪急うめだまで歩いてMM6でドクターマーチンのコラボローファーを試し履き、sacaiで新作ニットを試着するも、どっちもため息が出るお値段なので買わずに店を出る。先日買ったパンプスで1万歩歩いたら靴擦れを起こしたので薬局で絆創膏を買って戻った。

次の予定は今のジャンルのお友達とのごはん。中之島ダイビルにお好み焼きとワインを楽しむちょっと高級なお値段のお店が入っていて、遠回しにそこに行ってみたいな〜とお友達に持ちかけたら快諾していただいた。付き合わせてすみません。二人ともめちゃくちゃ緊張して「大丈夫かな…」「大丈夫かな…」と言い合いながらお店へ向かう。

このお友達は6月のジュンブラでお隣のスペースだった人で、あんなに数があった自カプの島の中でお隣になるなんてすごいですよねえと未だに言う。実際すごい。私もお友達も初参加で右も左もわからない中だったけど、お隣だったおかげでかなり、かなり助かった。自カプの島は結婚企画が盛り上がりすぎていて、私もお友達もそれには乗れず、島の真ん中に配置されでもしていたらきっと空気に呑まれすぎて居た堪れなかっただろう。私たちは島の本当に端っこで、だけど気楽に過ごすことができたのだ。

お友達と話すと身の上話が多くなる。私は今創作活動からは遠のいていて(それも会社の試験を抱えているというのが一番大きな理由ではあるけれど)そのことについて悩んでいる、とまではいかないけれど、私はやっぱり続けられなかったんだなとずっと考えていて、そのことを話してみたら「でも書いてない期間だって制作期間だと思う」「ずっと書いてるように見える人でも絶対立ち止まっている時間はある」と言われて、そっかあなるほど……と思った。その発想はなかった。お友達は以前から私の目を開いてくれる。私がもう一度二次創作に戻れるかどうかは今はちょっとわからないけれど、でもとても励まされたような気がする。最近は日記しか書いてないので、本当に小説の書き方を忘れてしまっているような気がしてならないのですが……。

何にしても、私たちは自カプの話じゃなくいろんな話をしている。それがとてもありがたいなと思う。私は自カプの話よりもいろんな話がしたいので。今のジャンルでそういうお友達を作ることができたのはとても嬉しい。幾つになっても新しいお友達ができるってことはすごく心の支えになるような気がする。そんなに気軽に会える距離ではないけれど、また会えたらいいな。

そして寝て起きたらオアシス来日公演のお知らせが発表された。繋がらなさすぎて笑ってしまったけどどうにかチケットの抽選受付も済ませることができた。まだまだにわか&ビギナーファンだけど、当たってほしい。当たれ〜!

@kyri
週末日記