20240117

kyri
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今日は阪神・淡路大震災の日。私は震災当時のことは小さかったので何も覚えていないけれど、神戸の大学に通い、社会人になって初めての配属先も神戸だったので、あの街には縁があるのだと思う。神戸に住むこととなり、家を探して不動産屋さんと街を歩いていたときに、不動産屋さんから「新しい家が多いでしょう。ここは震災でほとんど潰れちゃったエリアなんですよ」と教えてもらったこと、未だに記憶に残っている。それから私は大学では結構大きな演劇部にいたのだけど、その当時の部員の数名も震災で亡くなったそうだ。他にも大学の課外授業で被害が大きかった長田区にも連れて行ってもらい、当時のことを教えてもらった。今ではあんまり思い出せないけれど。新長田駅にはでっかい鉄人28号が立ってますね。あれ、いつもマジンガーZと間違えるんですけど、そう思っていたら輪島市に記念館があるのはマジンガーZの永井豪さんだった。能登半島地震で記念館は全焼してしまったそうだ。

能登の中学生たちの集団避難の話や、家族全員で能登を去ると決めた人の話や、家族を残して一人で二次避難所に移るという人の話を聞いていると涙が出そうになってしまう。家を離れるということ、生まれ育った故郷を去るということ、ピンとこない人にはこないのだろうけど、私は富山県の港町に生まれて、学生時代は前述の通り神戸(と海外)で過ごしたけれど、故郷のことは大好きだ。故郷の町をモデルにして、10年くらい同じ創作BLを書き続けたくらいには好きだ。家というもの、故郷というもの、それはなぜそうなのか、という理由を言語化できないまま、大事なものであり続けている。その家を、故郷を、もしかすると永遠に去るということ。それは体の真ん中に一つ大きな穴を開けられるような、体がほどけてバラバラになってしまうような、足元ががらがらと崩れ落ちるような、そんなインパクトがあると思う。その喪失は計り知れない。復興より移住をと言った人にこの感覚をそのままトレースできればいいのにと思う。だけどわからない人にはわからないんだろうな。全員にわかってほしいとも思わないけど、でも、そう思ってる人もいるんだよってことはここに書き残しておきたいと思う。ちなみに去年『ウクライナ戦争日記』を読んだのだけど、この本でもいろんな人が「家を離れる」ということに対して自分の思いを書いていた。国を超えても、このことには大きな意味があるのだ。この気持ちや感覚をいつか言語化できればいいと思うけれど、だけど最大限に言語化したそのものが私の10年にも及ぶ創作BLという作品で、私の思想は全てここに詰まっているのかもしれなくて。

昨日ヤマトからお荷物お届け予定のメールが来て、その送り主のお名前も荷物の内容も全く身に覚えのないものだったから、なに! こわ! 詐欺だ! 送り付け商法だ! 絶対受け取ってやらねえ! と即受取拒否を依頼して家族にもそれを伝えていたのだけど、今日帰ったら荷物はそこにあって、なんで!! もうだめだ死んだ!! と思ったら、よくよく見ると「ご当選」の文字。去年の秋に応募したことも忘れていた抽選の当選賞品だった。なんだよ!! それならそうと言ってくれよ!! せめて送り主を個人名で出すんじゃなくて団体名か何かにしてくれよ!! でも個人で経営してるお店っぽかったから、さもありなんなのかもしれなかった。だけどこんな感じで当選者に送っていたら受取拒否するの私だけじゃなさそう。そして受取拒否を申し入れた私の対応もちょっとは正しかったんじゃないか? と思える。投書しようかな……怖かったですって……ちなみに当選した商品はそば味のジェラートだった。早速食べてみたけれど、言われなければそばってわからなさそう。もったりしていて食べているうちに味そのものが口の中に膜みたいになってまとわりついてくるような、不思議な感じだった。でも家族が調べたところによるとこのジェラート、普通に買ったら1個600円弱するみたいで、なかなかの高級品なんである。まあ、いろいろありましたが、ご馳走様でした。

@kyri
日々と二次創作の間で