結局平日に書こうと思っても私の平日はまじで変わり映えしないのでそもそも書くことがない。あとやっぱり眠い……。先日このしずインの記事が70を超えて、6/30のジュンブラまでに100記事いけたりしないかな? なんて夢見てたけどこのペースでは無理である。のんびり行きましょう。去年の12月からなんとなくこのしずインで日記をつけ始めて、ぽつぽつ更新ではあるけどこの5月まで続いていることがまず私にしてみればすごいこと。
会社の昇格試験を受けることになった。とはいえ、初めての受験ではなく一昨年に一度受けて落ちている。落ちているので、私のことだしまた落ちるんじゃないかな……と内心ではそう思っているものの、それは口にしてはいけない。一昨年は異動もあったりメンタルの調子がボロボロすぎて勉強はしたけれどまるで頭に入らないまま受験してしまって、まあそれで案の定落ちたわけなのだけど、今年は環境も自分の気持ちも落ち着いているし、まあ頑張って勉強してみようかなという気持ちでいる。むしろこれでまた落ちたら会社に愛想を尽かされる……。試験は8月なので、これから3ヶ月頑張ります。今月のあいだに短編を一つ書きたかったけれど、どうだろうなあ。でも、つくづく原稿を終わらせといてよかったと思うのだった。もともとイベントのために書いていたものではなくて、イベントに出るのを決めた時点で半分くらいは書き上がっていて、それで結果的には超余裕で脱稿して今なわけだけど、これで印刷所の〆切にまで追われていたら爆発していただろうな。未来に何が起こるかわかんない。イベントだって去年まさか自分が今のジャンルでサークル参加するなんて夢にも思っていなかったわけだし。
最近、なんとはなしにヨルシカを聴いているのだけど、久しぶりに聴いたらやっぱり良いな、ヨルシカ。私は初期(?)の、他人に対する妬み僻み嫉み、劣等感、憎しみをストレートに歌うヨルシカが好きなのだけど、そんな醜い感情を歌うにはsuisの歌声はあまりに伸びやかでしなやかでそして美しい。その歌詞の昏さとsuisの声の美しさのギャップが好きなのだ。一番好きな曲は「だから僕は音楽を辞めた」「八月、某、月明かり」で、「だから僕は音楽を辞めた」は私が初めて聴いたヨルシカだったのだけど、初めて聴いた時のあの衝撃はいまだに忘れ難い。思うに、私は他人に対する妬み僻み嫉みや劣等感を隠さずに、正直に、ストレートにぶつけてくる作品が好きなのだろうと思う。音楽でも、文学でも、映画でも、なんでもいい。とにかく、私だったら隠しておきたい、できる限り蓋をしてそんなの私には関係ないですよという顔をしていたい、そんな感情を逆に武器にしてしまうような、その潔さ、強さみたいなものに惹かれるのだと思う。
考えたってわからないが、本当に年老いたくないんだ
いつか死んだらって思うだけで胸が空っぽになるんだ
将来何してるだろうって
大人になったらわかったよ
何もしてないさ
ヨルシカ「だから僕は音楽を辞めた」
そうだ、きっとそうだ
あの世ではロックンロールが流れてるんだ
讃美歌とか流行らない
神様がいないんだから
罪も過ちも犯罪も自殺も戦争もマイノリティも全部知らない
ヨルシカ「八月、某、月明かり」
最新シングル「晴る」も聴いたのだけど、しばらく聴かないうちにsuisの歌声がめちゃくちゃパワフルになっている。そしてこの曲、よくよく聴いてみれば推しカプの歌なんでは?! と思ったけれど、フリーレンの主題歌でした。フリーレンも全然詳しくないんだよな……
だからって悲しいことに変わりはないよ、と私は言った。
でも、ぼくの立場にいたら、皆に年じゅう悲しく思われたくないだろ。
私はあなたの立場に近かったことがある。だから、あなたと話すためにこの場所を作ることを自分に許したの。悲しみには耐えて生きていける。でも悲しみには、やみくもに起こる悲劇の見境のなさをくい止める要塞としての力はない。母親と子供は何歳であろうと同時代人にはなりえないもの。だから十六歳の私でも十六歳のあなたと友達になることはできなかったし、どちらも救われるのを拒むから、お互い若い相手を救うことはできなかった。私のほうが年を取っていて——あなたはまだ若い——だから私が「お母さんには見つかるな」という看板を掲げた白の女王。隠れるのが上手なのは、あなたのほうだった。
イーユン・リー『理由のない場所』河出文庫 p22.
イーユン・リー『理由のない場所』が文庫化されたので買いに行く。リーの小説は全部読んでいるし単行本も持っているけれど、リーの作品なら全部を揃えたい。今ではバイブスの合う作家といえば金原ひとみかイーユン・リーかハン・ガンか、くらいになってしまった。昔は川上未映子などもとても好きだったのだけど、最新エッセイを読んでもあんまりピンと来なかったというか、この人が好きだった私は遠くに行ってしまったんだなという気がした。もちろん、これから川上未映子の新作が出たとして、せっせと買うことは間違いないと思うのだけど、昔ほどに熱狂することはないだろうと思う。対して金原ひとみもイーユン・リーもハン・ガンも、今でも過去作を読むたびに新鮮に感動できる。文庫化されるということは再読のいい機会でもあるということなので、これを機にまた『理由のない場所』も読みたいと思う。
『理由のない場所』はリーの作品の中でも私にとってはかなり難解なものだった。さっき数ページだけ捲ったけれどあんまり文章が頭に入ってこない。でも、16歳の長男の自死をきっかけに書かれた作品であるということを踏まえれば、この作品の眼差しは読者に向いておらず、ただ、ただただ逝ってしまった息子だけを見つめていたのだろう。彼のためだけに書かれた文章なのだろう。彼への祈りとして書かれたこの作品に出てくる「ニコライ」が皮肉たっぷりに母へと語り、それを「そうだね」と頷き、いつ消失してしまうかわからないこの対話を続けようとする母の姿はあまりに悲しい。