無職になってみたいという願望がある

kzhrk
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人生で一度は無職になってみたいという願望をどこかに持ってる。

しかしよくよく自分の人生を振り返ったら大学 5 年生のときはほぼ無職な状態だった。

リーマンショックの真っ只中、自分の趣味 100% な就活(出版社、印刷会社、アニメ制作会社)に注力して尽く就活に失敗していた(それはそう)。

在学中の農学部の大学院に進学する意味も見い出せずに院試を受けて、当然のように落第した。

新卒カードを維持するという目的だけで留年をしたが、結局のところ二度目の就活は 1 社しか受けなかった。

地元は名古屋、大学は東京だったので大学 5 年目は下宿のアパートは引き払って実家でほとんど引きこもっていた。

引きこもっている間にデザイン系の大学院に進んでいた親友の Web 制作の相談に乗ったり、よくわからない事業を起こしている個人事業主の事務所で無給で Web の企画みたいなことをしていた。

そういう経験を通して自分は Web 制作が好きなんだな、と気づいてから PHP と SQL をガリガリ書いてよくわからない Web サービスを 2, 3 個つくって、ある程度技術のようなものが身についた(と勘違いした)ので地元の Web 制作会社のアルバイト募集にいった(2010 年 8 月頃)。

大学生の頃に同人即売会に出していた小説の同人誌や、PHP の Web サービスをハリボテのポートフォリオにして面接にいったら、その場でアルバイトとして採用された。

その会社の働き方は文章に起こすにはブラックすぎるのでここでは割愛する。

大学 5 年生の間、大学のコミュニティには一切属さず働き続けて、秋口の短期講義で最後の単位を取得するために週一で東京に上京していたのは今にしてはいい思い出だった。

突然週一でアルバイトを休んで日帰り上京していたのは特殊な体験だった。それを許容してくれた会社には今でも感謝している。

無職になってみたいという願望に戻るが、自分は無職になることはできないのかもしれない。

Web 制作が楽しいというモチベーションではじめた仕事だが、今はブラウザというアプリケーションの可能性と重要性に人生を掛ける価値があると思うようになってしまった。

職を失ってもどういった形でかはわからないが、ブラウザを使ってすべての人類に等しく情報を届けるということに意義を見出して何かをやっている気がする。

会社は辞めるかもしれないけど、ブラウザを利用して困っている人に何かを届けたいという意志は死ぬまでこのままだと思うので、本当の意味で無職になることはないのかもしれない。

@kzhrk
しずかに