Ethiopiques 4: Ethio Jazz & Musique Instrumentale, 1969-1974 /MULATU ASTATKE
1998.03.24 /Buda Musique
今年のFRUE ZINHOに出演が決まった東アフリカはエチオピアの音楽家、エチオ・ジャズの父、MULATU ASTATKE。このアルバムはエチオピア音楽のコンピレーションアルバムの第4段で、彼の特集回。入門にはもってこいの作品集とのこと。彼の曲はジム・ジャームッシュ監督の2005年作品『ブロークン・フラワーズ』のサントラでリピートしていたくらい。(映画自体は今、改めて見れば感ずるところはあるかも知れないけど、当時は音楽を引き立てるための映像だなぁという印象で、そのおかげで逆に音楽にフォーカスしてサントラを聴き込めたのかとも思う。いや、ジム・ジャームッシュ作品て大体そうかもしれない。アンビエント的)
最近、何度も思うことだけどジャズって何?エチオ・ジャズという定義が土着性なのだとしても、かなり特殊な旋律に聞こえる。民謡というか日本歌謡的なリフやタメがあったり、海外の人が思い描くファンタジーなアジアの香りがするような、私の思うジャズの盛り上げとはまた違う渋さが詰まってる。ジャズ黎明期の日本、大正昭和の雰囲気ってこんなんなのかもと感じる。エチオピアという国のトラディショナルをジャズで定義した人なんだろうな。それにしてもジャズが何かわからない
Y'Y /Amaro Freitas
2024.03.01 /Impulse! Records
2023のFRUE ZINHOで素晴らしい演奏を披露したブラジルのジャズピアニストの新作。そのZINHOでは前作「Sankofa」までの美しい旋律を奏でるのはもちろんだったのだけど、木のみをぶら下げたマラカス?を組み入れて自然的な様を魅せたり、ピアノの弦に挟みモノをして鍵盤の一部を打楽器のように使ったりと、トライバルなライブアクトを観せてくれたのがとても印象深くて、今作はそのときの高揚感を追体験できるアルバム。タイトルの由来やコンセプト自体も自身の出生とそれ以前の祖先をリスペクトする原点回帰とその解釈の様だし、あの時既にそれを実行していたのだと思う。去年リリースされたCAUTIOUS CLAYの「KARPEH」も自分の家族と自身の出自にフォーカスしていたし、そういった強いコンセプトを持った作品には強く惹かれるし惹きつける力を持っていると思う。今年は東京芸術劇場コンサートホールで行われる「METROPOLITAN JAZZ Vol.04 TOKYO PIANO NIGHT」への出演が決まってるよう。https://www.eight-islands.com/metropolitanjazz
Jeff Parkerが参加しているトラックもあったりもするのでクレジットのあるbandcampでより詳しく書かれた内容を是非
https://amarofreitas.bandcamp.com/album/yy
Planetary Vision / 惑星のビジョン /nubo
2024.03.01 /Western Vinyl
Apple Musicのオススメで知ったミュージシャン。前文のようにジャズが何なのか分からないくらい音楽に対しての音楽の学のなさを痛感する時が多々あるのだけど、ニューエイジという言葉もいまいち理解していないジャンルというかムーブメントの一つではある。以前に20世紀後半頃に現れた思想、及び運動だということまでは調べたことがあるのだけど、結局そこ止まりで人に説明できるほど理解はしていない。友人に、とあるミュージシャンの音を「ニューエイジっぽいね」と称して苦笑されたこともある。実際、その音はニューエイジとは到底言えないものだと知ることになるのだけども。ジャケットも含めて作品からスピリチュアルの片鱗を感じたのならばニューエイジ。と、カテゴライズして良いのではないかと些か乱暴な区分けしているのを改めないといけないなと日々思ってはいて。この作品はニューエイジと言って良いと思う。身体と心に良さそうな音が散りばめられているし、レーベルでのnubo紹介文も非常にスピってるし、間違いない。ニューエイジサウンドの鳴りって、かなり好きな部類なのでそろそろその中身も学ばないといけない。
ジャケットのアートワークはMiles Wintnerという方が担当されているのだけど公式ページを覗いたらかなり好みの画を作っていて。良い http://mileswintner.com
Super Legend /阿部芙蓉美
2024.03.13 /ABEFUYUMI RECORD
音楽好きの知人から薦められた作品。辛い。事前に彼女がオフィシャルで前半にキツイ曲が続くことを勧告していたらしいのだけど、何も知らずに聴き始めた私は4曲目に入る前に再生を止めてしまった。長期出張で疲労が蓄積された身体には合わなかったようで。なんというか、陰な歌詞を歌いあげる様があまりにも現実的で。強調も熱も無く達観した位置から自然に「まじ嫌なことばっかだよね」と呟くのが歌い手ではなく、いち個人としての彼女の実像と真実味を帯させていて、気付くと馴染みの隣人のような関係まで距離を詰めてくる作品。阿部芙蓉美個人との面談になりそうで、体力的に無理だと判断したのかもしれない。 けれども、その長い仕事を終え疲れも抜けたところで聴き直すと、かなり好みな作品だったという。前記した沈着な語り口が全て心地良く、その内容に呼応して鳴る旋律、楽器の音がまぁ素敵。個人の語りが後半のトラックに移るにつれて海や空、宇宙やらの大きな世界の空気を表現するように展開していて。深い溜息から新鮮な空気を吸い込むを繰り返す呼吸のようなアルバム。
今作に関してのインタビュー記事▼
https://sensa.jp/interview/20240313-af.html
ラヴの元型 /AJICO
2024.03.13 /Speedstar
Vo. UA、Gt. Vo. 浅井健一、Ba. TOKIE、Dr. 椎野恭一。UAとベンジーの癖の強い声とギターの鳴り、タイトなリズム隊。…最高。
サウンドプロデューサー 鈴木正人
Echo Sax End /Caleb Arredondo
2024.03.15 /College Music Records
駐車場で演奏するサックス動画がバズってリリースに至ったという今時なストーリーを持つ楽曲「Echo Sax」。これまでバージョンを変えたものをひたすらリリースしていたのだけど、おそらく今回が最終版なんだと思う。耳に残る旋律と魅惑的な残響音が癖になってついついリピートしてしまう。詳しいバックグラウンドはレーベルのプロフィールを▼
https://collegemusic.co.uk/artist/caleb-arredondo/
Move On /Jharis Yokley
2024.3.20 /Rainbow Blonde
Jharis Yokleyは昨年3月、代々木上原@OPRCTで行われたBIGYUKIのライブでのプレイが最高で「今アルバムを作ってる最中」という一言を聞いてから待ちに待っている彼のデビューアルバム。からのシングルカット。シンセサイザーにはBIGYUKIが参加してる。
とにかく隙間に音を入れ込んでくる人力ブレイクビーツ。実はこれを書いてる最中、4/10にリリースされたMEGAMANの方が主旋律との絡みやリズムのメリハリがあって好き。
Mahal /Glass Beams
2024.03.22 /Ninja Tune
オーストラリアのメルボルンを拠点にしている覆面トリオバンド。サイケでエレクトロニックな音を鳴らしてる。彼らに関しては情報が無さすぎて名前と顔が一致しない。荒木飛呂彦作品から飛び出てきたようなビジュアルはかなり魅力的。2021年にはMirageというEPをメルボルンのResearch Recordsからリリースしてるみたい。こっちのがよりインド音楽より。
https://youtu.be/hGQu4_fan8Q?si=3qB0yyGnA9drG8U5
覚書
3月は長期の仕事もあって新しい音楽はさほど取り入れられなかった。今年のヨンブンノイチが経過してしまいました。