芹沢あさひは、光だ。
芹沢あさひを見ていると、責任の存在について考えを巡らせたくなる。
責任。それは、時に心地好い空間を生み出す。例えば日本という国はそうやって生きてきた。そして、それは時に人に厚い帳を掛けて、光を阻害してしまう。ちょうど彼女に対するそれのように。
ただ、ある程度のそれは尊ぶべき摂理でもある。私は帳から微かに漏れ出る光を堪らなく愛おしいと感じる。
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芹沢あさひ。
283プロダクションのアイドルグループ、ストレイライトのセンター。14歳。
彼女の奔放な好奇心は、確かに他人に迷惑を掛ける起因にすら成り得る。誰にも告げずに運動会を抜け出そうとしているところを同じストレイライトのメンバーである黛冬優子に見つかって咎められたり、P(プロデューサー)と紅葉狩りに行った時にはPが仕事の電話で離席した隙に姿を消して探させたり。
運動会を抜け出そうとしたのは、失くしたぬいぐるみを探しに行こうとしていたから。
(黛冬優子の支え方)
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Pの離席中に姿を消したのは、赤や黄の鮮やかな落ち葉に惹かれ、状態の良い落ち葉を集めてベンチに並べたかったから。Pに発見されたあさひは、陽の光に微睡む猫のために、落ち葉を集めて寝床を拵えていた。
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彼女の魂はあまりにも純粋なんだ。
守るために野放しにしたくないし、護るために目を離したくない。