価値のある情報ないから技術ブログに書くネタない・むしろ書いたらマイナスになるのでは? と心配するのはよくある認知バイアスの問題なので、書くことの目的と結果を正しく認識するのがいいと思う
普段フォロワーがシェアしてくる有益記事というのは言うなればバキバキに筋肉が仕上がった状態のコンテスト会場の壇上にある技術情報であり、多くは最初から万バズを想定して作られたものではなく、その背景には不発だったアウトプットの屍がある
そしてそこに至るまでには書き手として日常的に筋トレに相当する積み重ねをする必要がある
なのでそもそも書くことが最初の目的であり、得られる結果の期待値を調整する必要がある
例えば個人ブログだとフリースタイルでええがなということになってしまうので、スコープを限定して会社ブログで採用候補者向けに認知を取るのが目的とする
「最新技術で最新取り組みをしました」という記事を書いてSNSで「すごい!最新だ!」とシェアされるのを目指すとして、前提として会社主導で最新取り組みを行うトップダウンな意思決定が必要になる
これが欠けていると、会社ブログで趣味で触った最新フレームワークの感想を投稿して「すごい!情報が最新なので入社します」というインカムを求める因果関係のよく分からないストーリーが発生してしまう
そして前提を満たせているとして、技術ブログの記事を制作するのに必要なのはテクニカルライティングをする本人以外に、題材をどう見せて届けるかという出版社でいう編集者の役割が求められる
これは我々には非常に難易度が高くて、会社によってはDevRelチームにプロの編集者を入れるところもあるぐらい。別ジャンルの闘いと思った方がいい
なので「エンジニアがブログ記事を書いて採用を頑張る」といった設定の中で実際の価値を持つ5W1Hなエンジニアの取り組みをどう執筆するのかというのは全体の中のごく一部ということになる
まとめると技術記事を書くこととコンテンツとして発信することはそれぞれ分解して考えられるので書くこと自体は筋トレのように日常的にやればよい(業務なら業務時間中に)
ちなみに私は筋トレエアプ勢です
FAQ: 「間違った情報を発信してしまうとDISられる」
訂正できる能力を備えていることの方が重要
会社ブログなら発信しないことで問題を内在したまま改善の機会を逃しているし、FUDをする部外者が発生したとして自分たちにとって大切な相手になるかというとそうではないだろうし、そういう人はリファラルも弱いので大丈夫ですよ
誤った技術ブログを公開した途端、トロッコの進路が変わり5名の人命が失われるようなシステムを構築しているようなら別だけど
FAQ: 「技術ネタに新規性がないのですが」
研究結果のレポートではないので新規性を本人が感じていなくてもOK
似通った結果の既存情報が存在するとしても、それを自分で作成できることとイコールではないので価値がある
それが公式ドキュメントなら、あなたが理解した内容を書いて公式ドキュメントにリンクするのがいいと思う
FAQ:「長文を書く気力がなくツイート(旧Twitter)ぐらいしかできてない」
それは加齢