Low-Carbohydrate Diet Macronutrient Quality and Weight Changeを読んだ。
これは30年分の123k人の食事調査データを分析した研究。
結論としては植物性タンパク質、健康的な脂肪、精製炭水化物が少ない食事をしたグループが最も長期的に体重増加が抑えられているといったもの。
つまりは、豆やオリーブオイルやナッツや玄米、野菜などを食べるといいぞいと言っているのであって、おそろしく地味。そうだが? とみんな思うだろう。
しかし研究結果が地味だとなんか安心するなという感想を持った(そしてシズラー最強説が強化された)。
それは信用できない情報が派手さを重視しているように思っているからなんだけど、これも無意識のバイアスかもしれんない。
そこで最近の・売れていそうな・健康関連の本いくつか読んでみた
あまりおすすめしたくないので特定の本ではなく売れてる健康本の傾向について話す
まずジャンルとしてはダイエット系の本が売れていた。
その中でも糖質制限系のタイトルが目立つようだ。
どういう著者が書いているのかというと
医師や学者のような権威的な肩書きを持っていてとにかくたくさん本を出している。
形式は新書スタイルで導入から自己紹介、各章で独立した健康情報のコラムみたいなものがショート動画のように押し寄せてくるという構成だ。
感想としては健康に関する本なのにジャンクフードを摂取しているような感覚になった。
表題に戻るとそれらの本に邪悪さを感じてもう近づかんとこと思った。
どこでそう思ったのか。
まずクリックベイトというか誇張表現みたいなものが多い。
悪意があるというよりかは読者のリテラシをかなり低く見積もってある。それが売れる本の条件なのかもしれないが。
あと自説に合うエビデンスを探して殴ってくる。医学的裏付けがあるみたいな体で論文じゃなくて他の出版社の本の参照とかしてくる。
取り上げ方も参照先が読まれると想定してないような切り取り方が多い。
そのうえ発信の量が多くて影響力が高い。
おそらくすべての本は自説リポジトリみたいな熟成された中央装置から都度トピックごとに取り出させて加工して我々のもとに本として届いているのだろう。
大量生産大量消費という面でやっぱりジャンクフードというかサプリとかに近い商材だと思った。
こういうモノに対抗するにはやはり、ほしいファクトを求めてそれが最短コストで手に入るような情報の摂取方法じゃなくて、ファクトから観察して結論ににたどり着くという因果関係を自分で作るしかないと思う。
これはソフトウェア開発情報でも、他のジャンルでも当てはまるだろう。テックニュースサイトの新着記事を収集するよりOSSのchangelogsやIssueをひまつぶしに眺める方が得られるモノが多いと感じている。