後編は、ライブの様子レポだよ!
サカナクションのライブに行ったことがない人、マリンメッセのライブ参戦経験がない人に向けた記事にしたいと思ってます。セトリや映像の内容など、具体的すぎるネタバレはしません。ただ、うっかり書いてなくもないのでこれからツアー参戦予定の人はここでturnしたほうが安パイかもです。
音響、照明、演出の三点に分け、なるべく簡潔に!行くぞ!
音響
「ライブの音が大きいのはアーティストのエゴ」という話、たまに耳にする。個人的に一理あると思う。サカナクションの音響はどうかというと、お客さん思い故の破産レベルのこだわりなんだなとライブに行った人は感じるでしょう(笑)実際スピーカーだけで赤字らしいです(笑)
speaker+という最新のスピーカーシステムを採用して、どの席にいても等しく綺麗に音が聴こえる。ラグもない。というのを実現しているそうな。以下、参考動画。1分くらいなので観てちょん。
広い会場だとどうしてもラグが生じて、視覚的だけでなく聴覚的にもステージやアーティストとの距離を遠く感じてしまう。これは誰しも経験あるんじゃないかなー。だからほんとはアリーナ席がいい。ただ、良席はファンクラブ会員や先着で売れちゃうし、値段も高い。「まあしゃーないわー」と私も思っていました。でもね、サカナクションのライブって前方から音が飛んでくるんじゃなくて、音に全身が包まれるのよね。低音はしっかり内臓に響くような、これぞライブ!これぞバンド!を感じられるのに、不思議と痛くない。むしろ、心地よい。お子さん向けにイヤーマフのレンタルをしてるのも良心的。私のように音疲れしやすくて耳栓したとしても、変わらず気持ちのいい音が包み込んでくれます。さながら餃子よ。もちろん、サカナクションのライブはアリーナ席も最高(SS席は特典付き)だけど、音響に関していえば、ラグも感じられないからどの席でもほんとに楽しめる。座席指定のある後方スタンド席も、前方立見のアリーナ席も経験した身からするとガチです。音フェチの人はたまらないんじゃないかな。次は、友達誘って何人かで音の体験しに行きたいなーそれぞれの感想をたくさん言い合いたい。
照明
サカナクションのライブは全体的にとても暗いのが特徴で、ステージに光を集め、ステージを基準に光を放つ、計算され尽くした照明演出がなされます。ここに、前項で書いた音餃子状態が加わると…勘のいいガキは嫌いじゃないよっ!アーティストと自分だけの世界に没入できるんですねーーー
ライブあるあるの一つに、周りのお客さんが気になっていまいちステージに集中できないってありません?
サカナクションの照明バランスってかなり絶妙で、会場全体がとにかく暗い(観客席なんて闇)から、他のお客さんたちは黒い波となって、ステージにいるサカナクション五人へ視界がスコーンと抜けて、遠いはずなのにクリアに見えるんですね。身長などの関係で仮に見えづらいことがあっても、アリーナなら後ろのスペースに余裕があります。無理して前の方に詰めなくても、あえてブロックの後ろでゆったりするのも楽しいよ。
曲のアレンジ含め、クラブを想像してもらえるといいかも!
「いやあ、クラブとかこわくて無理だなあ」
という人にこそ!おそらく世界で一番安全なクラブがサカナクションのライブです(笑)
お客さんも30〜40代くらいが多くて男女比もトントン。ファンの年齢層の上がり方と一郎さんの体調に考慮してか、以前よりもメリハリのついたセトリで、一郎さんもよくお水飲んでて安心したし、それに合わせてこちらも水分補給できました。会場が暗いとそういうのも気にせずできるからありがたいー!
照明に関してもう少し踏み込んだ話をすると、私ほんとに感動したんですよね。
前編で言及したとおり、サカナクションとしてのライブは久しぶりだったんです。でもさ、遠くの席になってしまったファンもいると思うんだよね。今回は完全復活を掲げてプロモーションも頑張っていたから、ファンクラブの新規会員のパーセンテージも伸びてました。そこをサカナクション側も感じたのか分からないけど、冒頭のライティングがパッパッパッて五人のシルエットを後ろの壁に大きく映し出してさ。ベースをキリリとキメるあみちゃん、相変わらず強そうな服着てるエレクトーンのザッキー、唯我独尊なギターの岩寺さん、そして中心に一郎さん。あとごめん、今回の福岡公演はドラムのえじーがめちゃくちゃ格好良くて痺れた!!!!!一人ずつシルエットが切り替わっていく度に「えじー!結婚して!あみちゃん!結婚して!ザッキー!結婚して!」って感情が忙しかった…一郎さんと岩寺さんは結婚して!てより、楽しそうでうれしい(泣)が勝ちました。
そうやって、遠くにいる人にも「今ここにサカナクションがサカナクションとして音楽やってます」と伝わるようなライティングがされていて、その細かな仕事にグッときたし、曲の世界観を照明で拡張させるような、会場の作りさえも多次元的に組み替えたと錯覚させるような、ドリームでエキセントリックな光に酔いしれた!サカナクションの照明、大好き。大好物。うまうまです。
演出
ここでいう「演出」は、ライブ中に流れる映像やダンサーなどを指します!ちょっと脱線もするかもしれません。それはご愛嬌ということで…な。
サカナクションのミュージックビデオなどを手掛ける田中裕介監督がライブ中の映像諸々クリエイションしていて、私はこの独特な世界観がまた好きなんだなー。大好物。あと、毎度ながら映像美すごいです。
正直、冒頭の映像はビビリな私からするとかなり怖かった。でも、どうしてあの曲から始まり、あの映像になったのか、振り返るといろいろ考えさせられる。turnのツアータイトルやキービジュアルとも関連が深い、そういうものを感じました。一度ではすべて分からない、分かるわけがない、分からせてくれない、映像や演出。一郎さんの抽象度の高い歌詞とリンクして、受け取り手に自由と創造性をもたらしてくれる。「難しい」とか「何が言いたいの?」とか、そういう明確な答えを欲しがって待つんじゃなく、自ら掴んでいいよって。あの感覚、うれしいんだよなあ。
映像やダンサーについて細かく描写しようとするとネタバレ以外の何物でもなくなるんですね(笑)どう書こうかな。困ったな(笑)
サカナクションのライブ演出の片鱗を感じてみたい人は、ぜひ最近のミュージックビデオや、前回のアダプトツアーの動画を観てみてね☆
ちなみに、この『スローモーション』は私がサカナクションで一番好きかもしれない曲です。“かもしれない”ってのは、好きな曲多すぎて一番なのか定かじゃないって意味です。
トータル二時間半くらいあったらしいライブは、はじまりからおわりまであまりにあっという間でした。くしゃみをスローでしたような、一瞬だけど最中の感覚はゆるやかかつ如実、みたいなライブでした。伝われ。すごく褒めてる。
こうして書いているとライブ当時を思い出します。喋るよりも書くほうが、ゆっくりと、じんわり、あの時の気持ちや温度、感触が浮かんでくるんだね。いいことを知りました。
またサカナクションに会えてよかった、またサカナクションの音楽を浴びられて楽しかった、これに尽きるね。