ほうれん草の根っこのピンクの部分は、ほんのり性的だと思う。
だから私はほうれん草の根っこを見ると少しだけ恥ずかしくなる。「見てすみませんでした」という気にさせられる。
なぜそう感じるのかと言うと、あそこだけ不自然にピンク色だからだ。全身緑色なのに、急にまろび出る鮮やかなピンク色。しかも売られている状態だと根っこは切られていて「ちょこん」と飛び出しているのみなので、余計に「出てきちゃった」感がある。絶妙な「はみ出しちゃった内臓」感があるのだ。
「これはほうれん草の恥部で、ほうれん草自身はこれを見られたくないだろうな……」というところまで想像が至る。「見ちゃだめなものが見えてしまう」という状況は、物理的であれ精神的であれ、セクシーだと思う。そういうわけで、前述の申し訳なさにつながってくる。
それにしても、あの部分はものすごく「弱点」っぽい。ほうれん草がアクションゲームの敵だったら絶対にあの部分が弱点だと思う。転ばせると根っこの部分が丸見えになるので、そこを攻撃する感じだろうな。