はじめに
2023年〜2024年に発行した呪夢の同人誌装丁の備忘録です。
本文中には特定のCP名、キャラ名が含まれます。
※これを書いている人間は、正直同人誌の表紙はタイトルとCP名さえあればいいんじゃないかな、と思っているズボラ人間です。
使用ソフト・アプリケーション・作業環境
Twitterの相互さんやフォローしている書き手さんを見るとcanvaやメディバンペイントを使用されている方が多いイメージです。
【本文】Word for Mac
本当は一太郎を使いたいのですが、あいにく林檎には対応していないので泣く泣くWordを使っています。
Mac版の困るところは、変なバグがちょいちょいあるところ。テキストボックス内の文字がPDFに変換すると消えたり、禁則処理が仕事をしてくれず行頭に小さい文字が来たり。早く直してほしい。
【表紙】Adobe Illustrator 2019、2024
以前違うジャンルで本を作っていたときはクリスタを使用していましたが、文字入れのしにくさもあり、今はほぼイラレです。でも全然使いこなせていません。
表紙以外でも目次・中表紙・奥付なんかはイラレで作っています。いつも断ち切りととじしろがどれくらいになるのかわからなくなります。
たまに素材使いたさにcanvaで大まかにつくって、イラレで印刷所のテンプレートに貼り付けることもあります。
イラレで作業をして、入稿はaiかPDF、というパターンです。ほとんどの印刷所さんがどちらかには対応してくれているのがありがたい。
Adobeのいいところはフォントがたくさん使えるところ。アクティベートすれば他のアプリケーションでも使えるので、本文作成時にもお世話になっています。その代わりたまに消えることもあります。
装丁まとめ
1冊目「それでも世界は美しい」
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【カバー】ミラーコートプラチナ135kg グロスPP
【表紙】OK特アートポスト+_180kg
【本文】淡クリームキンマリ62kg
【本文フォント】筑紫Aオールド明朝Pr6N
【印刷所】スターブックス様
呪夢では初の同人誌。pixiv連載の再録です。本文が386pと厚めになったので、本文用紙はなるべく薄いものに。
この本で初めて本文フォントに筑紫オールド明朝を使いました。今までは源暎ちくごやこぶり、ヒラギノ明朝を使っていたのですが、目に強い明朝体があまり得意ではなく、試しにオールド明朝体に。ただ、逆に細すぎたかなという気がしないでもないです。
シンプルに余白があるデザインが好きなので、素材をお借りしてなるべく華やかにするように努力しつつ、でも余白は残したかった感じです。
カバー下の表紙はがらっとデザインを変えました。
私はスタブさんを親だと思っているオタクなので、大抵の本はスタブさんにお願いしています。早割30だととてもお得です。その代わり特殊装丁とか特殊用紙は他と比べて少ないかもしれません。スタンダードに文庫本を作りたいならおすすめです。
2冊目「祓本五条と洋菓子店の彼女」
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【カバー】ミラーコートプラチナ135kg グロスPP
【表紙】OK特アートポスト+_180kg
【本文】淡クリームキンマリ62kg
【本文フォント】筑紫Aオールド明朝Pr6N
【印刷所】スターブックス様
1冊目の実質続編にあたる祓本パロ本。何故かこっちの方が人気のシリーズ。
書店流通本のライト文芸レーベルが結構好きで、その中のお仕事小説や食べ物系小説をよく読むので、そのイメージでカバーを作りました。
こちらも相変わらずシンプルイズベスト。カバー下の表紙には作中に出てくるひまわりの花言葉を入れています。
3冊目「おやすみ世界、また明日」
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【カバー】トレーシングペーパー52kg ホワイト
【表紙】ホワイトポスト200kg 白 ホログラムPP(スターダスト)
【本文】淡クリームキンマリ72.5kg
【本文フォント】筑紫Aオールド明朝Pr6N
【印刷所】しまや出版様
しまや出版さんのトレーシングペーパーカバーフェアを使いたくて出した本。下の表紙がちょっと透けていい感じ。
余談ですが表紙とカバーのタイトルを重ねたかったのに、データ上でわずかにずれがあったようで、本が完成して出荷された後に印刷所に引き戻されて「ずれが出ているんですが」と連絡をいただきました。追加料金でカバーだけ印刷しなおしてもらいました……。
4冊目【My perfect Blue】
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【表紙】ミランダスノーホワイト グロスPP
【本文】淡クリームキンマリ70kg
【本文フォント】源暎ちくご明朝
【印刷所】スターブックス様
4冊目から表紙に写真を使うのが楽しくなってきました。相変わらず余白しかない。イラレでパスの中マドを覚えたので試してみたくなったのもここから。夕方〜夜にかけてのシーンが多い話だったので、夕暮れ空の写真を探してきました。
表紙のミランダはPPをかけたので少しキラキラ控えめ。
5冊目【インクルージョン】
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【表紙】初版:シェルルックNツインスノー
再版:シェルリン
マットPP+透明箔(LUMAFIN)
【本文】淡クリームキンマリ70kg
【本文フォント】筑紫Aオールド明朝Pr6N
【印刷所】スターブックス様
スタブさんの作例集を見ていて、透明箔が使いたいと思ってタイトルを箔押しにしました。結果、全然見えないな!っていう出来になりました。
初版と再版で紙を変えましたがどちらもパール系でキラキラしています。ただしマットPPでほとんどわからない……。何故この紙にしたんだ私は。
5.5冊目【サムシングブルーの純愛】
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【表紙】マーメイドスノーホワイト153kg
【本文】上質紙90kg
【本文フォント】夜永オールド明朝
【本文カラー】セイラーブルー
【印刷所】オレンジ工房様
フェアのサムシングブルーセットを使ってみたくて、無配として突貫で作成したA5本。花屋五条パロ。
表紙2、3にも印刷できるオプションがあり、セットで用意されていたブーケの画像を入れました。本文の青色刷りもあって、中身にぴったりの装丁になったお気に入りです。
水彩画のような淡い雰囲気にしたくて、表紙はマーメイドにしてPPもかけていません。本文扉、奥付のイラストも含めて統一感を出したくて、全て同じイラストレーターさんのものをイラストACからお借りしました。
本文フォントはずっと迷走していましたが、夜永オールド明朝が今の自分には見やすくていいな、と思ったのでしばらくこれを使おうと思います。
6冊目【夢のような死のような私の恋人】
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【カバー】コート(オーロラ)110kg マットPP
【表紙】アートポスト160kg
【本文】淡クリームせんだい55kg
【本文フォント】夜永オールド明朝 8.5pt
【印刷所】ワンブックス様
作るか!再録!と思い立って自分用に作った夏油夢再録本(頒布してません)
薄い本文用紙が使える+一冊からでも作れて何冊でも同じ値段のワンブックスさんを一度利用してみました。
ワンブックスさんは本文がモノクロでもカラーでも同じ値段なので、各話に全部後書きをつけて手帳のデコをイメージしたデザインに。
表紙は写真+ドローイングの雰囲気にしたかったので数年ぶりにペンタブを引っ張り出してきて描きました。3Dモデルがあればお絵描き素人でもなんとなくそれらしい絵が描ける素晴らしい時代。