2024-10-31

lemonadern
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公開:2024/11/1

もう10月も終わり。なんてことだ。

彼女とサイゼでご飯を食べて、家でハロウィンパーティーをした。

筒井康隆

筒井康隆が老人ホームに入居したらしい。この人はいつ見ても元気で格好良いから参っちゃうな。頚椎損傷と入院生活を経て老人ホーム入居を決意なんてタイトルを見たときはびっくりしたけど、どうしてこうふてぶてしく喋ることができるんだ。ほんとうに尊敬してしまう。

俺もいつか老人ホームに入るんだろうか。考えたくないな。俺はこのひとみたいに年相応の衰えに自分を納得させることなんてできない。俺は今だって心許ない過去の実績を拠り所にしようと足掻いてしまう。相手を見て変に分かった顔をするし、「分かっている人」ムーブをしてしまうし、数回のラリーで作られた世界が崩れそうになったときはお得意の意味のない修辞で上手に煙に巻いてあげるんだ。終わりよければ全て良しと言わんばかり。そんなことをするたび、自尊心のままに生まれる振る舞いを自制できなかった自分が嫌になる。

そのうち年老いて、思考力や手を動かす力が衰えていって、もしそのときに俺が語れるものがなかったとしたら?生きてきた年月のプライドだけが我が物顔で残っているとしたら?そうなったら本当に本当に悲劇だ。考えたくもない。

俺は俺が何を選ぶかには納得しているし、いかなる明示的な決断を肯定する勇気だって身につけた。でも俺の脳みそが今よりクソになったときはどうなるんだろうね。俺が何年もかけて腹に落とした何もかもが無かったことに。しずみーに書いてあるから読めるのに。

俺は俺が自虐をやっていられるうちに死んでしまいたいが、実際そんなタイミングも勇気もなくてズルズルと生きていくことなんか知ってるんだ。お酒を飲みすぎたときみたいにあっけなく思考力なんか失って、脳みそのキャッシュだけを頼りに惰性で動く時間があることも知ってる。そういう時間が案外長いことも知ってる。

残される側はなんてかわいそうなんだ。ちゃんと会話ができないだけじゃ、目の前にいるのに自分を見ていないことだけじゃ、あのときが戻ってこないみたいに割り切って振る舞えるわけがないことも俺は知ってるんだ。隣に座っていただけなのに、一緒に散歩しただけなのに、変に気を遣ってみただけなのに、そういう記憶の断片が舞い戻って仕方がなくなっちゃうことも知ってるんだ。そういうやるせなさは率直そうな演出と被害者の語り口で紡いだ駄文でしか癒せないことも知ってるし、俺のナルシストみたいな文章のおかげで俺はあの人を忘れてないことも知ってるんだよ...

@lemonadern
Webと計算機が好きです。しずかに暮らします。