言霊というものがある。ざっくり言うと、発した言葉には魂が宿っていて、言葉通りの結果になる力を持っているという概念だ。言霊を信じる信じないの話ではなく、意識を変えるうえで大事なんだなと思ったことがあるので備忘録として記載しておくことにする。
私はイラストレーターとして個人事業主申請をして2年経つ。形式上はイラストレーターという職業を生業にしているわけであるが、自分の中ではあくまで”形式上”そうだと思っているのだ。つまりプロではないと。それはなぜか。私のイラストの技術力がプロには程遠いと自覚しているからである。
今はまだ実力が足りないけどいずれはプロになりたい…という目標がある。と思っていたわけではない。ただ目標にしている、憧れているイラストレーターの方みたいな絵が描いてみたい。誰かがふとイラストを見て足を止めてしまうような、自分の事など全く知らない人の記憶に残るイラストが描いてみたいと漠然と思っていた。イラストで稼ぐだとか、プロかどうかとかどうでもよかった。いいなと思った人が声をかけてくれたわけだし、自分の事はただイラストでちょっとだけ稼げてしまっているニートだと認識していた。だから今後の目標とか、数年後にどうなっていたいかとか、そういう明確な目標が分からなかった。ただ描けばいいから。
その思考にはもう一つ理由がある。それは自衛だ。例えばSNSにイラストを公開していい反応が貰えなかったり、納品したイラストが微妙な反応をされたとしよう。そういう時に「自分はプロレベルではないから」と思った方がダメージが小さいのは言うまでもないだろう。…いや、大前提として対価を頂いている以上満足してもらえないイラストを納品することはあってはならないから、提出する時の気持ちの持ちようの話ね。
だが、それが私の成長を妨げる思考だったんだなと気付かされた。
さっきたまたま見ていたTVドラマでのワンシーン、大学生の子?が祖父の経営する銭湯を継ごうとしていて、両親がそれを引き留めようとしていた。その時に父親が言ったセリフ「ごっこ遊びは辞めなさい」。大学生の子に感情移入していた私は腹が立ったが、その後の展開で大学生の子が賛同者と話し合って考えた企画書を突きつけプレゼンし、両親を説き伏せていた。私は凄いと思うと同時に自分が恥ずかしくなった。自分だったらどうしていただろう…説明できなくてぶん殴っていたかもしれない。その時点で自分の今していることはこの父親の言うごっこ遊びの範疇ではないか。アホか。本気でやるのであればこの熱量は前提条件なのだろう。だが自分にはそれがない。勝手に情けなくなった。
正月にリコッタお嬢様から占ってもらった結果の一部で「理想に近づくために、そうありたいという状態で過ごしてみる」とアドバイスを頂いている。今自分は真逆の事をしているのでは?自分はプロではないただのニートだと思っているから熱量がなく、普段依頼絵を描く以外ダラダラしているのでは?目標が薄れてイラスト制作に身が入らなくなっているのでは?ごっこ遊びになっているのでは?依頼貰い始めた頃はあんなに楽しかったのに…。
有名絵師として活躍されている方の中には「同人活動やってたらいつの間にかプロになってた」という方もいる。そうなりたいけど自分はそれにはなれてないんだ…だって元の性格が何もしたくないめんどくさがりで仕事絵以外描いてないからね…。本当に今まで何してたんだろう…。
言霊というのは発せられた言葉に宿るものではあるが、自分の内側に向けられる言葉であれば発せなくても言霊が宿るのかもしれない。自分はニートだと思い込めばそのように行動する。だからまずは暇さえあれば絵を描くことが普通な状態になるように、自分がプロだと思い込むことから変えていこうと思う。何かやりたい事とか目標とかがあるのなら、自衛せず前向きにそうなったつもりで思い込むことが大事なのかもしれないね。
それはそれとしてリコッタお嬢様の占い凄すぎない?マジで尊敬するんだけど。ちゃんともらった結果印刷してデスクのすぐ見れるところに飾ってたまに見てるよ!