火事

お京
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昨々々日の深夜、たくさんの消防車が北に上がって行った。通り過ぎて行ったので遠くかな、近くじゃないなと思って確認せずに就寝。朝になって明るくなってからカーテンを開けると、ベランダの手すりに燃えがらや灰が落ちている。えっ、近くだったの!?慌ててネットで京都消防車出動記録を確認すると、隣の隣の町だった。燃えがらや灰は、こんな所まで飛ぶのか。飛距離すごいなとゾッとして、今後は消防車が出動していたらどの辺りで火事やボヤが起きたか確認して、屋根や庭木に軽くでも水を撒こうと思ったのだった。

その日の夕刊に、火事のことが出ていた。

焼けたのは一緒に地域委員をした人の家だった。一緒に地域委員をした人は行方不明で連絡がつかず、発見された遺体が誰なのか捜査中とのことだった。

地域委員をしていた時には特に仲良くしていた訳でも無く、地域委員の任期が明けてからは一度も会っておらずで御縁は薄いのだが、一時でも行動を共にした記憶がある方の災難は心が沈む。

ご遺体はあの人なのだろうか。

熱くなかったかな。苦しかったかな。痛かったかな。怖かったかな。どうしようと思っただろうか。最期に何を考えはったのかな。こんなことが起ころうとは思いもしてなかっただろうな。

人に慕われるタイプの人ではなかったから、情報が新聞からしか入って来ない。あれから毎朝毎夕、新聞をくまなく見ているのに、続報が載る気配は一向にない。

ご遺体はあの人なのだろうか。

心が沈む。

*追記 : 火事のことからずっと気が沈んでいるのだけど、お花を生けにいった先のご住職が「就寝中の火事は眠ったまま一酸化炭素中毒になって亡くなるそうやから、火事が起きたことも気ぃつかんまま亡くならはったん違うかな」と仰ってくださって、そんなことある?と思いながら少し救われたのだった。