それ、どこの?

お京
·

「それ、どこの?」と服について聞かれる時に着ているのが、実はagnès b.やCOMME des GARCONS、Y'sである。30年前の。

「それは一体・・・」と誰もが困惑していた、デザインという態で謎に尖らせた(大きな穴が空けてあったり、不思議なところが立体になってたり、袖がびろ~~んと床に届くぐらい長かったり、布の筒が肩からぶら下ってたりするような)ものじゃなくて、スタンダードラインと言われる、特にどこかをどうにかしたものではない、流行とはまったく関係ないシャツやブラウス、スカート、パンツ。それらを着ている時に「それ、どこの?」と聞かれる。

学生の時のものだ。素材タグなんて字が擦り消えて読めなくなっている。スタンダードラインだから今も同じようなものが売っているとは思うのだが、別に膝や肘の部分が抜けて出ちゃってるでもなく、布地に着古した感が出てるわけでもないのに買い直さなくても・・・と思い続けて30年。物が付喪神になるのは何年だっけ?

ファッションが大好きでぐいぐい来る人に対して「30年前の服よ~」と自分の服飾への消極的な関心度をさらすのも憚られ、「どこのだっけ、忘れちゃった」と答えるのが常なのだが、「いつもオシャレやんねぇ、思い出したら教えてな~?」と重ねて言っていただくと、30年決まったパターンを繰り返して着てきただけなので非常に居たたまれなくなる。

ここでしずかに謝罪しておこうと思う。

せっかく褒めてくださってるのに、ごめんなさい。実は私、見苦しいと思われなければそれでヨシ派です・・・。