出かけた先のデパートで全国物産展的な催しが開催されていて、その賑わいに思わず前のめりで見て回る。
全方向から視覚や嗅覚から「おいしさ」を浴びせられ、寸分も抗うことなくわれわれ家族は飲み込まれていった。
こういった催しに滅多に来ることがないからか、特に上の子は物産展独特の熱気に全身で受け止めているようだ。
目の前に出された試食を流れるように受け取り、口に運んだところ、そのうまさに唸ってカッと目を見開き、「ばあちゃん、これめっちゃおいしい! 買って!」とねだり、義母の財布のひもが緩むまでおそらく30秒足らずであり、あまりになめらかな購入までの導線に、もはや感動すら覚えた。