少しだけ進めようと思って、一歩また一歩とやってみるけど、うまくいかない。ふと思慮をめぐらせようと目を閉じれば、レンガが剥がれ落ちていく鉄道橋でポロポロと足元が崩れていくような、恐ろしい絵が脳裏に浮かぶ。けたたましい崩壊がはじまる。この足は、錆びてしまった股関節とぶよんぶよんに水を貯め込んだ白いふくらはぎでなんとも不格好な走り方で、必死に対岸へと逃げようとする。ギリギリで辿りつくのだけども、進む先じゃなくて戻ってた。無駄に玉のような汗を流して、恰好だけはいっちょ前であちらへと行きたいとほざく、そんな夢ばかり見ている。嘲笑っちまうよね。