これに行きたいとマストドンに投稿した。夫が「見に行こう」と言ってくれた。場所は渋谷だ。東京まで出るには特急に乗らなくてはいけない。なのでぼんやりとしか思っていなかったため驚いた。私は寺山修司やその周辺のサブカルチャーが好きで、たまに浸っている。詩がいちばんお気に入りで映像はまだ触れていないけど、ポスターとなれば話はちょっと変わる。昔の印刷物が大好きだからだ。しかし場所は渋谷ヒカリエ、おそらくその一角で、入場料は無料だし小さな展示だろうと予想がついた。それだけのために東京へ?いくら寺山修司とサブカルポスターが好きでも、動機が弱かった。夫があそこへも行こう、ここへ行ってみようと提案してくれる。その中でひとつ引っかかるものがあった。この事については次回書きたい。
土曜の朝。行きたい心はあるけど気持ちが昂ぶらなかった。活力がないのだ。ここのところ午前中ふさぎ込むことが多く、動けず、お昼前後に「やるかー」となる日が続いていた。この日もそんな気がしたのだが、遠出をするとなれば早目に決断しなければならない。決断というものはカロリーが必要だ。だんだん苦しくなってきた。なぜこんなに苦しいのか分からず、泣いてしまった。今日は止めておこうということで、ゆっくり朝ごはんをいただいたら気持ちが落ち着き、前向きになってきた。12時近くのことだった。「行きたい…」「行こう!」特急は1時間に一本だ。13時20分頃のに乗れるよう急いで準備をした。
座席に座り、落ち着き、「乗れるものだなぁ」と半分放心していた。行きは少し読書をするのだけど、寝不足でもないのにずっと眠ってしまった。特急を降り最初の目的地で休憩したあと、渋谷の展示へ向かった。
展示は実際こぢんまりしていたけど、ポスターひとつひとつが両手を広げるくらい大きかった。しかも印刷が綺麗。シルクスクリーンという技法らしい。版画のようなもの、という認識で合っているだろうか。とにかく綺麗。しかも現物に値段が書かれていた。状態のよくないもので2万〜、いいもので100万を超えていた。じっくり眺めたいというより、こういったものに囲まれたならいくらでも居れそうという感覚だった。古い本も数千円〜5万円程度で売られており、古物商…と自分のなりわいを思い出した。古本はもちろん、価値のあるポスターも古本の市場に出品されると盛り上がる。が、こんなに大きいものはそう出ないだろう。他、気になっていたのは寺山修司の写真を用いたアクスタだった。買う気はなかったが、売られている所を実際に見ることができてよかった。
天気が崩れるという予報にも関わらず、もう少し東京にいたくて晩ごはんもいただいて帰った。大抵水戸へ戻ってからどこかへ寄るということがほとんどだけど、せっかくなので。特急はちょうどいいのが取れて、21時半には戻ることができた。散々迷ったけど、東京へ行けてよかった。心が生き返るなら無理してでも行った方がいいかもとさえ思う。自分が地元、北陸にいたとき「3ヶ月に一度は京都に行かなきゃ…」となっていたことを思い出した。3ヶ月に一度は東京へ行きたい。