雪国のコンプレックス

licotta
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昨日書こうかと思っていたことなんだけど、雪かと思いきや雨だったことのショックを優先したため書けなかった。

6年前、私が北陸から千葉へ来て初めての冬。雪がうっすら積もった。私は嬉々として外へ出た。散歩程度ではなく、お出かけだ。すれ違う人々がおそるおそる歩いていた。会社の前で、もう地面が見えているのに全ての雪を抹殺すると言わんばかりに雪かきをしている人たちがいた。ニコニコしながら駅へ向かった。電車は動いていた。船橋駅まで出る。外へ。歩道をおそるおそる歩く人々。楽しそうに歩く私。

田舎の人間は都会の人間に対して無意識にコンプレックスを抱いている。知らんけど。そのため、雪国の人間は都会の人間が数センチの雪でニュースになるたび「バカか?」って思ってる。軟弱すぎか。こちとら自分の身長まで積もった雪を掻き分けて家から出るんやぞ。そしてこの6年前の私は本当にヒマで性格が悪く、人々が雪に恐れる様を見るためだけに駅前に出たのだ。どこかに寄るくらいはしたのかもしれないけれど覚えていない。ただ、歩道に少し残った雪の足跡、おそるおそる歩く人たちの姿だけ覚えている。

6年も経つともうそんな感情はなく、ただ歳をとって寒さに弱くなり、関東の気温でも油断すると体調を崩すようになってしまった。今朝も外を見ても公園の土の上にうっすらと積もっているだけでつまらなく、テレビをつければ東京はそこそこ積もっているようで、いいなぁと思った。どうせ外に出ないけど。でも積もらない方が、夫が無事に帰ってくる確率が高くなるのでいいか。