もう1つの病気

licotta
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以前、自分の病気についてぼんやり書いた。もう1つの病気について書きたいと思う。

ナルコレプシーというやつだ。日中に何をやっても眠くなるやつである。手にペンを刺していても、喋っていても、歩いていても寝てしまう。ずっと自分の体力がなさすぎるだけだと思っていた。でも、あまりに人と違いすぎるのではとも感じていた。症状は高校の時から出ていて、授業中ほとんど寝ていて担任に個人的に呼び出され叱られたし、仕事の会議中にも100%ウトウトするので「気合が足りないのでは」と言われてしまった。

13年前に金沢で働いているときにパワハラを受け、心療内科に行き休職することになる。翌年、地元に戻される。そこで転院した先生に相談すると、カフェインを処方される。もちろん効かなかった。ドリンク剤を飲んでも持つのは10分程度の身体だった。そこで睡眠外来への紹介状を書いてもらう。

2泊3日の検査入院をした。2泊の夜の睡眠時に、頭に機具を着けて寝る。この睡眠リズムは問題なかった。決定的なのは、日中の検査だ。頭に機具を着けて横になる。20分間。その間に眠るかどうか。これを2時間おきに5回繰り返す。結果、全部寝た。普通の人はそんなに寝ないらしいし、すぐに眠ることもないらしい。

それから薬を処方してもらうことになった。世界が変わった。目が冴えていることがこんなに素晴らしいなんて!常にぼんやりと生きてきたのが本当にもったいなかった。

以降、10年以上薬を飲み続けているのだけど、何となく「症状が弱まっているのでは?」と思う。実際に年齢経過で症状が弱くなるらしい。あと、経験則でストレスがあまりない状態だと症状が出にくい。しかし、これは体内のテンションを上げる薬だ。普通の人が飲むとたぶん大変なことになる。これを飲んで自分が平常でいる限り、この薬が必要なのかなと思い直す。

実際に昔は精神のある病気にも処方されていたらしい。しかし、違法に使用された事件があったらしく、ナルコレプシーだけに適応となった。ということもあり、これを処方できる医師や薬局が限られており、転院するときには例え遠くへの引っ越しでも医者が転院先を調べてくれる。どこでもらえるかは、漏らしてはいけない情報らしい。そんなわけで、地元から千葉へ。千葉では心療内科は別で探してしまったので、ナルコレプシーの薬を処方してくれる病院は別になってしまった。こちらは精神で診てもらっているわけではないのに、精神と同じ診察料がかかるのでちょっと高いし医者に2つ通うのは二度手間だった。千葉から茨城へは先生が病院の候補を5つくらい出してくれて、通いやすそうな所へ連絡し、心療内科とナルコレプシーの両方診てもらえるか確認してから通院することになった。

ちなみに薬を飲んでもスコンと寝てしまうことがある。これはナルコレプシーのウトウトな感じではなく、眠いから寝てしまうという感じだ。そして薬が作用するのか、10分〜30分くらいで起きる。精神の病気で身体を起こせなくなることがたまにあるが、私の眠気は果たしてどちらだったのだろう…と思うこともある。両方作用するから、ストレスに応じて眠気が強い時があったのかもしれない。よく分からない。とにかく、見えない病気に身体を左右されてきた。今は以前よりも上手く付き合えていると思う。

そういえばナルコレプシーの検査の話をしてくれたのもTwitterのフォロワーだった。自分が病気かも、という不安と孤独感を和らげてくれた。インターネットに感謝だ。