卵管子宮検査

licotta
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強風オールバックがずっと脳内に流れていた日だった。風向きに逆らうと一歩も動けず、身体を前倒しにしなければ進まなかったし信号待ちでは風に煽られてふらついた。晴れていてもバイクは使えないと判断し、家付近のバス停→市役所→徒歩25分→産婦人科→徒歩25分→駅前からバス、という手順で用をこなした。いっぱい歩いた。市役所へは不妊治療の助成金について話を聞いてきた。この用事を午前中に済ませることができたのがファインプレーだ。本当は明日行こうと思っていた。昼食は市役所内の食堂。からあげ定食がおいしい。

市役所から産婦人科へはかなり歩いたのだけど、きっとこの道順を歩く機会はないだろうと思うとちょっとワクワクした。迷うことも念頭に置いて早めに出たら、1時間早く着いてしまった。先日のように百貨店で30分時間をつぶす。

検査前に筋肉注射を打たれた。実費で200円ほどかかりますけど、どうしますかと。痛いですか、と尋ねると、もし卵管が詰まっていたりすると痛いですね…ということだったのでお願いした。注射も苦手だけど、未知の痛みの怖さには敵わない。

それから30分ほど待った。注射の効き目なくなっちゃわないのかな、とか、忘れられてはいないよな…と思っていたら呼ばれた。部屋に入り、下だけ脱いでくださいねーと言われる。脱ぐのはカーテン越しなのに、そのままカーテンから出なければいけない。ちょっと恥ずかしかった。いつもの婦人検査のような椅子とは違い、台の上に寝かされ、足を広げて置く装置があった。卵管子宮検査は、おなかの中を液体で満たして写真を撮るものらしい。先生が来た。処置しながら、なんか色々話しかけてくれている。注入の痛みを紛らわせてくれているのだろう。実際痛いというか、違和感違和感違和感きてますーって感じで気持ち悪かった、我慢できないわけではないので我慢した。

先生とどんな話をしたかというと、「水戸では車必須だよ、特に妊婦さんは。妊婦はバイクに乗っちゃダメ。おなかを大きくして乗ってる人いないでしょ」おなかが目立たないうちはいいのかな…「とにかく要るよ、買い物とか」「買い物は夫がやってくれています」「優しいんですね」優しいんですよ…!「雨の日はどうしてるの」「家から出ません」というようなことを話しているうちに終わった。

「この間の検査の結果とか、今回のこととか、いろいろお話することがあります。いろいろです!妊活、していきましょう!次回お話しましょう!」ということで、今回は診察はなく先生は去っていった。そのあと腹部の写真を撮られた。最初に1回、5分後に1回。「検査、女性ばかり大変な思いしますよね。男性は出すだけですしね。旦那さんにねだっておいしいもの食べさせてもらいましょう」と検査技師さんに言われて、そんなこと思わないんだけどな…と思いつつ「そうですね」とだけ返しておいた。だっていつも、おいしいものを食べさせてくれているので。

料金は先日提出しただけの精液検査の清算があり1,100円、今回の検査9,020円で合計10,120円だった。万札が飛んで行った。どこかでお茶したいくらい疲れていたけど、おうちにビスケットケーキがあるなということで、家でひと息つくことにした。ふぅ。何だかんだでもう夕方だ。今日はがんばった。

それにしてもひとつ気がかりなのは、不妊治療の助成金についてだ。市役所では、治療が終了するまでなので年度をまたいでもいいということだったが、病院で話を聞くと3月(年度末)で一旦区切ってと言われた、とのことだった。大丈夫かな。

検査待ちの30分のあいだに、いのまたむつみ先生の訃報を見た。

大好きなキャラクターを生み出してくれた方。先日、ふざけたタイトルの記事を書いていたので貼っておく。テイルズは私の青春だった。何年か前には展示を見に行った。アナログ原稿の美しさに感動したのを覚えている。パネル買ったな…どこかにしまってあるから探しておこう。