朝、トイレに行ったら少し出血していた。何でだろう。覚えがない。
「昨晩のこと、あまり覚えていませんが…」夫が起きてくる。彼は夜中2時頃にうなされていたので私は声をかけていた。
「妻さんが『血が止まらないの』って悲しそうに言ってくる夢を見たんだよね」
え…実際出血してるんですが…
会社へ行く夫を見送り、朝食を取り一旦横になったがトイレに起きた。出血。二度寝して昼前に起きてトイレ。出血。
何で…?
さすがに怖くなった。
寒いし眠いし不安だし、ぼんやりしていて判断力がなく「どうしよう」をぐるぐるしていた。病院行く?また入院??いやだ…でも今はそれよりも、子を守りたい。
夫に連絡して、帰ってきてもらうことになった。最近私の都合でめちゃめちゃ有休減らしている罪悪感にとらわれながら、でもやっぱり優先すべきは子だ、自分の気持ちじゃないっていう想いだった。
昼イチで診察してもらった。「まずは赤ちゃんが生きているかですね」今まで膣から器具を入れてエコーを撮っていたが、今日からお腹にジェルを塗っての観察になった。
「ほら、動いてますよ」
よ、よかった…
今回はうねうねどころじゃなかった。バタバタ動いていた。にょろっと伸びているのはへその緒かと思ったら足だったので驚いた。全長は5cmとちょっとというサイズだ。「蹴ってる蹴ってる」「ほんとだ…」目や口の形まで分かった。ヒトになってきている。
次は3週間後、とにかく安静と念を押された。出血は午後になってから出ていない。何だったんだろう。もうこんなドキドキすることはないといいな、と言いたいところだけどそうもいかないのだろう。まだまだ先は長い。