リコッタの終わり

licotta
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公開:2026/2/25

まだ次の土日あるけどね!

新刊の漫画やラノベも少し置いていたのだけど、ここ2ヶ月ほどでやたらお買上げがあって空き空きになってしまった。今までほとんど動きがなかった棚なのに。

月曜日、祝日。千葉時代の常連さんがはるばるご来店くださった。いつもお母さんが娘さん2人を連れてきてくれていて、水戸に来る際はお父さんも一緒に(今回2回目)。千葉のときは月2回ほど来てくれていた。娘さんたちが走ってお店の扉を開けて、息せき切らしながら入ってきて。椅子に座って漫画を読んで過ごしてくれて、その姿を見るのがいつも楽しみだった。

水戸に来て3年以上経った。上の娘さんは小学生から中学生に、低学年だった下の娘さんも高学年になった。大きくなったなと思う。皆さんが本を選んでいる時間、私は静かに待った。お会計と持ってきた本はカウンターに収まりきらず、3回に分けて載せ替えをしてレジ打ちをした。大きい紙袋3つ分になった。

うちのお店にはとても影響を受けた、と話してくださった。昨今の平成ブームで我々世代は90年代を懐かしむ機会が否応なく増えて、このときに摂取したジャンルが自分を形成しているのだなと痛感することが多いのだけど、娘さんたちのそんな時期に関われたこと、影響を与えたこと…私がその役目を担ってよかったのかなとは思うが…とても光栄なことだ。お店をやめるということは、この子たちと会えなくなる。それだけが心残りだ。

家に帰ってから心ここにあらずだった。私から伝えることは、ありがとうございました以外になかったのだろうか。リコッタはあのご家族がいたからがんばれた。水戸に来てからも思い出しては奮い立っていた。それでも駄目だったから閉店を決めたのだけど、やっぱり、寂しい。

芋づる式で千葉にいたときのことを思い出して、絵本やデザインのいい本が売れたよなとか、刺激的なお客さんがたくさんいてこっちも創作意欲を掻き立てられてたなとか、閉店するときお手紙や差し入れたくさんもらったなとか、敢えて蓋をしていた思い出が溢れてきて、それらはもう戻らないんだってずっと分かっていることなのに、心にぽっかり穴が空いたようになってしまった。次の日まで引っぱってぼんやりしていたのだけど、午後から気持ちが落ち着いて散歩に出かけたのだった。いいのか悪いのかすっかり元通りで、ダラダラ過ごしている。2日経って今日は水曜日。雨が降っているし寒いしで本当に何もしなかった。最後のオープン日はどんなお客さんが来るかな。

@licotta
本屋やめます。妊娠中 lit.link/licotta