先週に読んだもの・見たもの・聞いたものからおもしろかったコンテンツをめも兼ねて紹介(タイトルを今週から先週に変更)。先週はインプット少なめ。
1. 松岡享子 "えほんのせかい こどものせかい"
絵本と子どもを理解するための読書、中川李枝子さん・石井桃子さんときて三部作の最後は松岡享子さん。松岡さんも、児童文学作家・翻訳家・児童文学研究者。東京子ども図書館の名誉理事を務めていた。この本は過去の雑誌の連載をまとめたもの。時間が経っても色褪せない。
中川さん・石井さんと同じく、言葉の節々から絵本と子どもへの愛が伝わってくる。愛だけでなく、自ら翻訳・創作を手がけ、のちに子ども図書館につながる家庭文庫も運営していたから、まさに実践のひと。
こんな素敵なかっこいい女性が身近にいたら、知る機会があったら、こういう職業を目指していたんだろうな、と思える人たち。たらればでは語れないけど、せめて子を持つ母親として本を通じてすでに亡き石井さん・松岡さんと出会えたのだから、最高の絵本を選んで子どもに語り聞かせることが、お二人が取り組んできたことへのお返しになる気がする。
この3人のお知恵を借りて、絵本プロジェクトも近々開始予定。じぶんの子どもだけでなく、他の子たちもまじえた絵本の読み聞かせにもチャレンジしてみたいな。
2. ミン・ヒジン氏独占インタビュー by NHK
NewsJeansプロデューサー、ミン・ヒジン氏。いま世界で最も注目を浴びるプロデューサーのひとりであり、私も彼女の思想やスタンスからも多くのことを学んでいる。テキストで彼女のインタビューは読んだことがあるが、動画で見るのは初めて。NHKグッジョブ。
20分のコンテンツで金言だらけだった。以下、引用。
・人間は何かを鑑賞する時、五感が連動して体感できた時に最大化できる
・「設計」と同じ。コンテンツをただ作るのではなく、「どう見せれば効果的なのか」も同時並行で考えている
・コンテンツを披露するときも、そこに至るまでの一連の過程も楽しんでもらいたい
・人間が好きなもの、本能的に惹かれるものには常に普遍的な特徴がある。時代によって表現方法や表現アプローチが異なるだけ
・小さい頃みんな自分だけの「宝箱」を持っている。いつ見ても古びない、いつ見ても良いもの。そういうものを作りたい。
・(NewJeansとK-POPの違いは?)自然であること。自然さは演出しようと思ってできるものではない。自然さはコンセプトにならない。人工的になってしまうから。
・結果的には完成された姿を見るのではなく、「この子は才能の芽があるな」「こういうことを感じられるな」という点を重視してメンバーを選んだ
・「楽しさ」を探究する努力を欠かさない。初心に返って楽しむこと。最初コンテンツを出すために企画しているとき、ワクワク感や胸がいっぱいになる気持ちがあった。アルバムごとに初心を思い出せるように努力している
NewJeansは曲が良い。MVも良い。センスが良い。全てミン・ヒジン氏の腕によるものだけど、プロデューサーが関与しながらも"自然さ"があるのはなんでだろう?きっとメンバーも深く考えて感じとる力が強いタイプなのだと想像する。
2023年は間違いなくNewJeansの年だった。これだけの成功をおさめていても、なお「楽しさを追求する」とおっしゃっていたのは、希望になった。今年のテーマ「楽しむ」を私も追求するぞ。
3. 今日のモヤモヤ話:激務ワーママの娘を支える60歳が、娘夫婦に言えないモヤモヤ by mi-mollet
心が動かされた。感動ではなく、ざわざわする意味で...。なぜなら、ここで話されている母と祖母が完全に他人事とは思えなかったから。私の母も、祖母と同じマンションに住み、私の育児を祖母に完全丸投げでキャリアを築いていた。さすがに無料ではなかったけど。
でもこの件は日本だけに限らずフランスでもそうで、保育園でも祖父母が迎えにきているケースは多い。近所に住んでしょっちゅう預けている話もよく聞くし。祖父母のサポート前提での子育てに違和感を覚えながらも、価値観の問題なので、自分は夫婦で子育てをするという家族で決めて信じた道を行く。
自分のスタンスにゆらぎはないのだけど、それでも「祖母も私を育てるの、すごい大変だっただろうな。ちゃんと母に言えてたのかな」と胸がざわざわしてしまった記事だった。自分が未成年の当時はなんとも思わなかったけど、親になってみるとその大変さには頭が下がる。これまでの祖母との思い出まで頭に浮かんできて、ここまで心動かせるのはすごい。