おもしろかったコンテンツ('24 4/2 & 3w)

Lisa
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4月2・3週目に読んだもの・見たもの・聞いたものからおもしろかったコンテンツをめも兼ねて紹介。今後は隔週で更新予定。

1. F1 Beyond The Grid: Ayao Komatsu

F1 HAASで今年チームプリンシパル(TP)になった日本人・小松さんのインタビュー。過去聞いたF1 Podcastの中でもダントツで面白かったし、感動して泣きそうになった。

エンジニア出身のTPは歴史上8人目、かつ日本人初の非日系チームのTP就任という歴史を作っている小松さん。Drive to Thirviveでも常にガンターの横に映ってる日本人のイケオジ誰だろう?と思ってたから、チームヘッド就任のニュース見た時は嬉しかった。

心を打たれたのはエンジニアとしてF1に関わる!と14歳の時に決意してからの行動力。18歳で渡英しイギリスの大学で機械工学を学び、そこからずっとエンジニアとしてキャリアを積みながらついにモータースポーツの世界に入り、そこから20年後にはチームヘッドへ。経歴だけ見ると華やかだけど、その裏には努力と行動力、そして縁を積み重ねて今に至ることがわかった。

最短距離でF1の世界に入りたかったから、日本の大学ではなくイギリス留学を決意したこと。高校生の時にF1チームや出版社に手紙を送りまくって「イギリスのどこの大学に行けばF1で働けますか?」と聞いて進路を決めたこと。最初に就職したエンジン会社で、アマチュアドライバー/スポンサー(?)の最初の上司のもとで終業後・週末働き車のイロハを学んだこと。レースサーキットで出会った佐藤琢磨さん(元F1ドライバー)との出会い、インターンとして手伝い。転職した会社の方針に納得いかず辞めた時に、佐藤さんに誘ってもらってチームにジョインし経験を積む。ルノーでロマン・グロージャンのパフォーマンスエンジニアを務めたこと。ロマンがHAASへの移籍を決めた時に一緒に来ないかと誘われてHAASにチーム立ち上げ時からジョインしたことなど。これまでのキャリアで情熱を絶やさずにエンジニアとしての積み上げと人との関係性を大切にしてきたのだな。

その姿勢はチームプリンシパルや人としてのありかたからもうかがえる。「HAASには才能がある人たちがたくさんいるんだ、それを活かす土壌が足りないだけで。だからいまいちばんのフォーカスは、コミュニケーションを取ること」「小松でもできたんだから、僕/私にもできるって、いろんな人に思ってもらいたい。挑戦したい人に背中を押せたらいいな」「日本人であること、国籍は普段は意識しない」——飄々としてみえる彼は、人の力を信じてコミュニケーションを諦めない人なんだな、と節々の会話から伝わってきた。

F1の世界を志す前は、ジャーナリスト志望だったそう。お父様が当時の反戦争・共産主義を掲げて政治犯として牢獄されていたことや、当時の朝日新聞の記者が日本の政治・警察の闇を暴いて国が動いたことを見て感動したことがきっかけとのこと。だからこそある意味「政治」がはびこるF1チームヘッドの世界も苦じゃない、とおっしゃっていた。

クライマーのヤンヤを一番尊敬しているとおっしゃっていたり、いろんな共通点が見えて一気に親近感湧いた。小松さん率いるHAAS、これから応援していきたいな。

2. ARTE - Yakuza

ヤクザのドキュメンタリー二部作。現役のヤクザ、引退したヤクザ、警察、ジャーナリストなど多くの人のインタビューを交えて丁寧に作られた作品。全体を通して映画かと思うようなシーンや情景が多いが、事実は小説よりも奇なり。龍が如くやアウトレイジは本物に忠実に作られてるのだなと実感する。

ヤクザは全国に5万人。強固な上下関係があるなど世界は独特で、上納金や師弟制度の仕組みがすごく、何があってもお金を稼ぐ。彼らも彼らなりの存在意義があり、社会必要性もある...が、ほんとに社会必要性はあるのか?と問われたような気がする。近年はお金稼ぎが難しくなり、足を洗うヤクザも多い。

東京に住んでたら絶対に見れなかったヤクザの世界をこうやって海外の番組で見れること自体が面白い。外から一歩引いてみることで、自国の文化や社会、価値観がわかる体験。まさか「半グレ(Hangure)」をフランス語で聞くとはな。

3. ARTE Tracs - Black gyaru

黒ギャル文化を紹介する番組。ただの90年代の日本ギャル懐古話かと思いきや、黒人女性をインスパイアする存在になっているギャルという視点で紹介されていた。番組内では名古屋に住む黒人と日本人のミックスの女性や、フランスでヤマンバメイクをするインフルエンサーが紹介されていた。

私はギャルのマインドセットが大好きで、小学生からずっとギャルに憧れていたんだけど、こうやってギャルのマインドセット(社会常識への反抗・自由を求める)が海を超えて世界の女性をインスパイアしていることに心が動かされた。これってヤマンバメイクしなくても、ファッションでも同じことが言えるよね、と気づくこともできた。

4. 現代ビジネス:日本特有の発達障害事情 - 米田倫康氏 x 和田秀樹氏対談

日本特有の発達障害事情に関して、普段精神医療現場で向き合ってる先生たちの対談記事。

子どもの成長・発達の遅れに悩んでる時期があって、夫に相談した時も「子どもには一人ひとり違うその子なりのリズムがあるのに、X歳までにXができないと発達障害、と認定するとか、早期療育しないといけない、とか、その考え方がおかしいよ。違いやペースを認めずに"普通"と"異常"をわける姿勢こそ、日本全体が発達障害なんじゃない?」って言われて納得したことがあった。この記事は夫の言葉をなぞるかのように(笑)、先生たちが対談しててドンピシャで刺さる記事だった。

ファクトを見ても発達障害認定が全体の8.8%になってきてるし、そもそも判断の基準もよくわからない(明らかに過剰判断になっている)。日本の同調圧力と発達障害ビジネスがマッチしているんだろうけど、投薬してまで子どもの行動を修正しようとする事例もあることを聞いて、子どもを日本で育てなくて良かったと思ってしまった...。フランスだとそもそも違うことが当たり前だし。肌の色、宗教、生活習慣、考え方、言語、もろもろ。

5. ME:I - Click (Korean Ver.) & Sugar Bomb by Mnet

4月17日、ミーアイちゃんデビューおめでとう!日本番組はネットに落ちてないから見れないけど、韓国コンテンツは全部見てるよ!衣装もカメラワークもヘアメイクも質感がぜんぶよい。どう魅せればアイドルがいちばん輝くかを知り尽くしている、やっぱり伊達に国策としてK-POP推し進めてきただけあるわと納得させられるクオリティ。音源化されてない韓国語版のClickは生歌入ってていい。曲はSugar Bombの方が断然好み。Kep1erのデビュー曲カップリング・MVSKと似てるけど、ME:Iの方がより儚さが入ってる気がするな。

@lisa
パリで家族3人で暮らしています。「アートで心が豊かな社会をつくる」ために、いろいろやっています。フランスでの日常、子育てのこと、アートのことなど。www.theartscene.com