私の住む村では毎年1月中旬頃にサン・アントニオ祭りという動物の健康を祈るお祭りがある。 お祭りは初日は朝6時からボランデラという丸いパンを女性達が村のパン屋に集まり作りつつ、通りかかった男性に小麦粉を投げるというものから始まる(なぜ小麦粉を投げるかはナゾです笑) 翌日の夜にはお祭りの目的であるベンディシオンがある。動物を飼う村の人たちが自分の動物を連れ、教会の広場に集まり、村の牧師さんから昨日作ったパンを動物の健康を祈って順番にもらっていく。その後に動物を率いて「サン・アントニオー!」と掛け声を掛けながら村の中を歩いてまわる。今年は雨でブタ一匹と犬一匹だけだったとのこと笑。昨年は私達も飼っているロバを連れ参加した。他にも馬、牛、ヤギなどなど様々な動物が毎年見られる。夜の広場の灯りに様々な動物と大勢の人たちが動物を尊重し集まっているあの場所は何か高揚感もあり私はとても好きだ。ベンディシオンが終わると同時に大きな焚き火を燃やしはじめ、お祭りが終わるまで絶えず燃やし続ける。炎は屋根より高く燃え上がる。みんな焚き火を囲みお酒を飲んだり、お肉を焼いたり。。その夜には雄牛の角に火の玉をつけて走りまわらせるというものがある。度胸試し?からかっている?盛り上げるため?とでもいうのか物好きな人たちは牛の前に出たり、牛の気を引いたりさせて牛をさらに興奮させる。 翌日には競売がありケーキやニワトリ、ウサギなど村の人たちが好きなものを持ち寄り翌年のお祭りの資金収集のために競売をする。私達が俗にイメージするロールケーキが時に60€などの高価格で落札されたり、雄のニワトリ一羽が15€など安値で落札されたりと、需要と供給の面白さも見られる。
最後に! 動物の健康を祈るお祭りであるのに、雄牛の角に火の玉をつけて走りまわさせたり、さらにはその雄牛はお祭り後に殺して村の人たちが食べるという、正に矛盾撞着であるなぁと考えさせられるお祭りである。そう思っているのは村で私だけ..??