風も強い。
早朝に目が覚めた。二度寝する気が起きなくてそのままパソコンを開く。
何気なく詠んだ短歌が思いがけずハートを集めた。不思議だ。何が支持されるかなんて誰にもわからない。
それでも毎年、流行を定める人たちがいる。服装や食べ物や。言葉もそうかもしれない。
彼らのことを多分権威と呼ぶのだろう。
小綺麗で、誰しもが持っている甘かったり苦かったりする記憶を呼び起こすような言葉を綴る人には自然と支持者が集まり、さらに権威のある人物の後押しがあると初めて出した本でも即重版したりする。
よくできてるなと思う。
ちなみにこれは悪口なのでできるだけ特定を避けなければいけない。
美しい言葉を眺めるのは楽しいけれど、投稿するごとに――その投稿にたくさんハートが集まるごとに宣伝をぶら下げるようになると、この人も権威に取り込まれたなと思う。
権威は偉大だ。そしてつまらない。他人の目を常に意識する道を選んだ人たちは、宿命的に退屈だ。
悪口を書くと筆が進む。良くないことだ。