3連休は嬉しい。「ずっと3連休であれ」と思ってしまうくらいには。そんな心晴れ晴れとした日には、美味しいものを食べに行くしかない。先日、稲田俊輔さんの『おいしいものでできている』という飯テロエッセイを読んだのだが、以来、気になっているカレー屋があった。そう。稲田さんご本人がやっていらっしゃる、エリック・サウスである。今回はそこに行ってみることにした。
カウンター席に着くと、迷わずミールスを頼んだ。エッセイを読んでいた時に、とても美味しそうだったからだ。ミールスとは、主に南インドで食べられている、ベジ(菜食)料理を中心とした定食のこと。(詳しいことは下記サイトを読んで欲しい。)僕は、選べる一種のカレーを、今回は定番のチキンカレーにした。店の定番は押さえておきたいからだ。メニューを見て気になったギー(バター)も追加でお願いする。
それほど待たずして、プレートが運ばれてくる。思わず目がキラキラしてしまう。僕はスプーンを握った。
「いただきます」
まずはそれぞれ一口ずつ。う、うまい……。全部うまい。バスマティライスというご飯と一緒にいただくのだが、「これは……飲み物ですか?」というくらい、サラサラと入ってくる。今まで信じていなかったけど、「カレーは飲み物」だった。「ご飯はおかわりいただけます」とのこと。お言葉に甘えて、いただくしかない。
とりあえず、一杯目のご飯は混ぜたりせず、都度都度カレーを一種類ずつかけていただく。どれも個性があって飽きがこない。
秒速で一杯目のご飯を平らげ、二杯目をお願いする。店員さんが、小さな容器を席まで持ってきて、そこからお好みの量を入れてくれるのだが、恥じらいもなく「全部入れてください」と言う。(前の方もそう仰ってたので……)
二杯目は、残りのカレー類全てを投入して、全部混ぜ。これはこれで複雑な味がして美味しい。辛味が来たと思ったら、酸味が来て、甘味もあって。舌に盆暮正月が一気に来たようなお祭り騒ぎだ。
ちなみに今回僕が一番感動したのは、サービスの漬物「ウールガイ」である。説明書きには、「辛くて酸っぱいお漬物」。見た目は赤い液体。スプーンで掬うと角切りの大根(?)が現れる。確かに辛い。酸っぱい。そして塩っぱい。だけど、こいつが癖になる。今日からカレーにはウールガイ(漬物)党を公言しよう。
先日の「たくあん」に引き続き、どうやら僕は漬物に心惹かれるらしい。思い返してみれば、祖母宅では冷蔵庫からたくあんを引っ張り出して、ボリボリ食べる小学生だった。そして、エジプト旅行で美味しかったものランキング上位に入るのも、何で漬けたかは分からない、薄ピンク色のお漬物。あと、ベトナム料理店で食べた漬物は美味しかったし、韓国のキムチは僕の元気モリモリ食品だ。……世界の漬物文化を調べてみるのありだな。
お店を出てからも、カレーのことが頭から離れない。「色々ダメになったらインドに行こう……」って思うくらいには美味しかった。インド料理を食べている時の、「オレ、インド人になれるかもしれない!」って万能感は一体何なんだろう。その謎を解明すべく、恐らく私はまたエリック・サウスに行ってしまう。そして同じミールスランチにするのだ。ビリヤニも気になるところだけど。
参考