テーマ:地理歴史 目標文字数:1280文字 1297文字で達成
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歴史のつながりを記憶することが苦手だ。つまり、シーケンス的な記憶がダメ。人名とか歴史的イベントの名前とかは印象に残ることはあるけど、実際にその人やその出来事が何をもたらしてどのように次のイベントにつながっていくのかを理解して記憶することは難しい。
たとえば、「カノッサの屈辱」という単語は覚えていても、カノッサが誰なのか(あるいはどこなのか)や何がどう屈辱とまで称されることになったのかなんかは全然覚えていない。今少し調べてみても、その背後にある聖職叙任権の闘争なんてまるで新事実のように感じられた。
「カノッサの屈辱」というのは、11世紀の教皇VS皇帝の構図で、教皇側が皇帝に屈辱を与えたのね。聖職叙任権をめぐる争いで、聖職に関することは教会側で取りしきりたい教皇に皇帝が反発する。教皇が皇帝を破門する。破門されるとやっていけないから皇帝は教皇に頭を下げに行く。カノッサは教皇が滞在していた城の位置する場所で、そこを皇帝は訪ねたが教皇側は相手にしなかった。雪の中で粗末な衣装で三日待ってやっと面会できた皇帝は許しを貰って破門を解かれた。だが、皇帝の聖職者叙任権の否定を認めさせられる結末となった。そうだったんだ。
で、この後に破門が解かれたことに対して不満を持つ派閥と皇帝側は戦って、また教皇側から破門される。しかし、戦いを有利に進めていた皇帝側は逆に教皇を廃位し別の人(当時の大司教)を教皇に擁立した。こんなの習ったっけ?
なんというか、チャンク、意味のある小さなまとまりに区切れないから苦労しているのかも。どこまでを周辺知識としておけばよいのかもわからない。これでも千年位前の話だし、教科書レベルの知識だからすっきりまとまっているはずだ。さらに歴史の厄介なところは、このイベントが起きている最中で別のこともたくさん起こっているわけで、それらを同時期のものとしてまとめて覚えておく必要があるところ。通時的な厚みに加えて、共時的な厚みもある。
こうした学校で習うような教科としての歴史はダメだが、そうでない歴史はどうだろうか。
これもダメ。たとえ自分の興味のある分野であっても。(ダメだと感じるなら興味が抑々ないのでは?)
たとえば、ゲームハードのリリース年とか。ゲームキューブとプレステ2のどっちが先に発売されたかなんて知らない。(ゲームキューブが2001年9月、プレステ2が2000年3月に日本発売らしい。)2001年のゲームハードシェアの円グラフが出題されても、きっとわからない。
年表的なあっさりとしたものでも、どっちが先でどっちが後かみたいなことを覚えるのが、もっといえば覚えておくのが苦手だ。
それゆえに、手持ちの知識から当時の生活とか法令制定の背景とかを推察することができない。そういうアーキタイプが具備されていない。つまり、誰かに何かを説明する部位の働きが弱いのだと感じる。
これだけ覚えておけばいいよというのが示されている事柄に対してこの始末なので、現実で現在進行形で巻き起こっているあれこれなんか処理できるわけない。ニュース番組に出てくるアナリストみたいな技能をうらやましく感じることもある。
書き終えてから
歴史に関する知識の無さから、とりあえず覚えている単語から書き始めてみたら、辛かった勉強の記憶がよみがえってきた。思えば、この時期は受験期で気分がふさぐ。いまだに尾を引きずっている。