少し吐き出すことで、経緯の確認します。
KBDnewsというサイトが、キーボードの情報を定期的に発信しています。私が設計したキーボードもいくつか発信されています。特に、事前に、何か言ってくることはなく、気がついたら、取り上げられていた感じです。
2年前になると思いますが、seed xiaoを使って自作キーボードを作ろうというメーカー主催のコンテストがありました。私はX経由で、メーカーからDMをもらったこともあり、seed xiaoを使用するキーボードを設計しました。個人の感想ですが、seed xiaoは使用できるピンが少なく、分割キーボードかマクロパッドぐらいしか向いていないと思います。それでもdual matrixを使って、50キー以上のキーボードを設計しました。まあ、参加しただけでしたね。
さて、このコンテストで入賞した作品の一つに、ちょっと気になるものがありました。ファームウェアはまだ実装していないけど、3分割に分かれたキーボードでした。真ん中の部分はロータリーエンコーダがついたマクロパッド的な位置付けでした。先ほど個人の感想で書いたように、seed xiaoにはピンが絶対的に少なく、マトリックスが組めない、ロータリーエンコーダの実装は、結構、自由に使えるピンがなくなるので、設計上、難しかったです。でも、その作品は、できるような謳い文句でした。あまりにも不思議な感じがしたので、ガーバーファイルまで覗いて、配線をチェックしました。すると、真ん中のマクロパッド部分はハリボテだったことがわかりました。このキーボードはコンテストに出すと同時に、KBDnewsでも紹介されていました。そのポストに、ちょっと引用してハリボテであることをポストしました。
それ以降、私の設計した自作キーボードはKBDnewsで取り上げられることはありません。まあ、取り上げられるほど、魅力的なキーボードを設計していないのだと思っていますので、特に何も感じていません。
さて、今回の私が騒動にした件は、私と相互フォローになっていた、proteius氏のcornballがKBDnewsで紹介されていたことが発端でした。私はproteius氏から、彼自身のキーボードであるcornballの設計について、私が設計したcool536lcの基板発注に使うガーバーデータや3Dプリンタで作成できるケースを引用していることを一切、聞いていませんでした。
KBDnewsでcornballの記事を見た時に、「あれ、そっくり」と思いました。そして、これはcool536、cool536lcを設計した時の私にとってのミスなのですが、RキーとTキー、YキーとUキーの位置が揃っていて、実は私にとって使いづらいのです。もし作り直すとしたら、TキーとYキーは少しずらすと思います。逆に並んでいる違和感から、cornballがcool536lcを模倣したものとわかりました。さらに、ケースの外形がcool536lcにそっくりでした。真ん中にtrack ballがあるのは、最近のproteius氏の作品でtrack ballが多く用いられているのを知ってますので、その流れと思いました。記事をよく見ると、cool536lcやcorneliusの影響を受けたことが書かれています。そして、記事最後には、私のgithubのcool536lcが載せてありました。明らかにcool536lcを参考にして、track ballを付けたのだと思いました。ただケースの形が気になり、cornballのgithubを確認しました。使われている画像から、ケースがcool536lcにそっくりとわかりました。そのため、ファイルを確認すると、
そこにはcool536lcの名前がありました。基板については、画像からの想像になりますが、cool536lcの基板と外形は同じでした。ケースに合わせようとすれば、同じ外形になるでしょう。
私がcool536lcのデータに提示したライセンスは、MIT Licenseなので、無断で改変ができるのでしょう。私はファイル名にcool536lcがなければ、ここまで確証をもって対応することはなかったです。
私が今回の件で気に入らなかった点は、proteius氏が、cornballにつけたライセンスが、MIT Licenseではなく、別の形で、そして非商用を提示したことです。つまり、私のデータを用いて作ったキーボードを彼自身が販売することができても、他の人が同じことをすることを禁じているのです。
上手い例えになると良いのですが、私が海苔巻き寿司を発明したとします。MIT Licenseなので、誰もが真似したり、販売したりすることができます。proteius氏はこの海苔巻き寿司を引用して、鉄火巻き寿司を発明しました。彼はそれを非商用として、販売権を独占しました。他の人は真似しても作るのは良いけど、販売して利益を上げることができないというライセンスです。では、彼が最初に知った海苔巻き寿司は彼自身の発明品なのでしょうか。
今回の騒動は、そういう点が問題と感じました。彼は私が指摘すると、ライセンスを変えると言いました。ライセンスを変えた後、それ以前に私が発したXのポストを見つけたようで、そこに文句を言ってきました。
投稿した時間を見るとわかりますが、私のポストの後、私はインスタのDMを使い、彼とメッセージをやりとりしました。それで彼はライセンスの変更を約束しました。その後、彼は、この文句のポストをしてきました。そのため、私は再び、このようなトラブルを避けるために、cool536lcのライセンスについて、次のように変更しました。
これでおしまいです。この一文でも、もしかしたら、法的拘束力はないのかもしれません。ただ、私は強く抗議した記録が残れば、よいと思います。
この騒動に関わったいる時間の中で、何度か、githubに保管している自分のデータを引き上げようかなと考えました。また、自作キーボードもやめようかなと思いました。こんな面倒な思いと、嫌な気持ちになることは避けたいと思いました。
自作キーボードはこの年齢になってから見つけた趣味なので、できる限り長く楽しくやりたいと思っています。誰に迷惑をかけずに趣味を楽しみたいです。今回は、私の作品を改変できることをいいことに、勝手なライセンスをつけて、独占する動きがあったことが大変、不満でした。私の設計したキーボードの影響を受けて、似たようなものを自分で設計したり、ケースをデザインしたりするならば、何ら文句はありません。私も、他の設計者のアイデアに感心して、参考にしたことはたくさんあります。その逆もあると思います。分割キーボードで強力磁石のついたポゴピンを使ったキーボードは多分、cool650が最初です。今では、複数のキーボードで採用されています。付けた当時は、裏で文句を言われました。他に、cool844で、ドーターボードと称して、pro microの端子を延長して、ケーブル挿入口を変更するアイデアを思いつきました。また、RP2040-Zeroを採用したキーボードはcool836rpが最初と思います。まだQMK_firmwareがRP2040系MCUに対応していなかったので、PRK_firmwareで動かしました。誰が最初であっても、とやかく言わないし、私自身も自分に先見の明があるとひけらかす必要もありません。ただ、その時、思いついたので、そのアイデアを形にした結果に過ぎないのです。みんなで楽しくできればいいなと思っています。今回の騒動は、そうした私の考え方に水を差す内容だったので、騒ぎ立てました。
まとまりませんが、今回の経緯についての説明を終わりにします。